研究課題/領域番号 |
20K20387
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 隆文 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 室長 (50302659)
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研究分担者 |
田村 弘 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (80304038)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 神経電極 / BMI / 生体適合性 |
研究実績の概要 |
生体の神経系と直接の情報入出力を行うブレインマシンインタフェース(BMI)技術が近年注目を集めているが、BMIを真に実現するためには、神経系と外部機器との間で、超多点で、長期間・安定・安全に情報入出力可能なデバイスが必要不可欠である。このために本研究では、「生体と超多点神経電極との間の界面及び相互作用」を「時空間的」に制御することを提案する。具体的には下記の性能を備える超多点神経電極の開発を実施する。 (1)マクロには柔軟・微細化により組織親和性を向上し、ミクロには表面特性を場所及び時間特異的に制御することにより、炎症反応や接着特性、接触特性を制御する神経電極。(2)組織刺入時には固く、刺入後には柔軟に変化しつつ、一定の期間は周囲組織との炎症反応を抑える神経電極。(3)周囲の状況に応じて配線部等の特性が変化する神経電極。 今年度は昨年度までに引き続き、様々な形状と表面特性を有する神経電極の設計、試作を行うとともに、特に脳表への長期間の埋込み時に問題となる高密度柔軟神経電極の耐久性について着目し、高温加速試験なども含めた評価実験を繰り返しつつ、神経電極作成プロセスの改良を行った。神経電極作成工程の最終段階で窒素を用いたアニーリングプロセスを追加することによって、パリレンCの接着性等が向上し、高密度柔軟電極においても隣接チャネル間の絶縁性等の特性が長期間維持されることを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、デバイス作成および評価実験の遂行に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
デバイス作成および評価実験の遂行に遅れが生じたため、研究期間の1年間の再延長の申請をし承認された。当初目標の達成に向けて基本的に当初計画通りに推進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の関係で、デバイス作成とその評価実験の遂行に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。研究期間の1年間の再延長を申請し承認されたため、当初目標の達成を目指して研究を継続する。
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