研究課題/領域番号 |
18H05388
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
小林 泰浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20264252)
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研究分担者 |
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (10367617)
村上 康平 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (60791837)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90434480)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 骨折治癒 / 組織マクロファージ |
研究実績の概要 |
1)骨折治癒過程において骨・軟骨に出現する組織Mφの解析:マウス骨折モデルを確立した。骨折を誘導後X線撮影し、骨折の程度を評価した。同程度の骨折を起こすことが可能なマウス骨折モデルを確立した。次に骨折治癒過程における、マクロファージの出現を免疫組織学的に調べた。M1マクロファージとM2マクロファージのマーカーであるF4/80およびM2マクロファージマーカーであるArginase Iの免疫蛍光染色を行った。その結果、骨折後7日目に形成される未石灰化骨内の血管の近傍にF4/80陽性細胞の出現が認められた。軟骨組織内には、F4/80陽性細胞は認められなかった。一方、Arginase I陽性細胞は、軟骨組織周囲に認められた。 2)RANK発現細胞の解析:RANK-CreマウスとTdTomatoマウスを交配し、RANK-TdTomatoマウスを作出し、RANKを発現する細胞の動態を蛍光顕微鏡で観察した。骨組織におけるRANK発現細胞を解析したところ、若齢マウスでは、主に一次海綿骨上の破骨細胞にTomatoの発現がみとめられた。一方、老齢マウスでは、血管内皮に発現が強く認められた。また、筋組織や唾液腺組織にも発現が認められた。発現細胞が、マクロファージのマーカーを発現するかを解析する予定である。 3)CFU-Osteoblast(Ob)形成におけるマクロファージの役割解析:骨髄細胞培養後アルカリホスファターゼ染色を行い、骨髄に含まれるCFU-Obを同定した。培養中のマクロファージを除去するため、c-fmsシグナルの阻害剤であるGW2580を添加した。GW-2580の添加により、ALP陽性のCFU-Ob数は顕著に減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)骨折モデルを確立した。骨折治癒過程で、マクロファージが出現する時期を明らかにできた。このマクロファージが、どのような形質を持つか検討する。 2)骨組織、唾液腺、筋組織におけるRANK発現細胞の検出は成功したが、マクロファージの同定には至っていない。 3)骨形成におけるマクロファージの役割の分子機構を明らかにするため、骨折モデルの実験と並行して、骨髄細胞の培養実験を行った。
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今後の研究の推進方策 |
1)RANK-Creとともに、Csf1受容体Creマウスを用いて、骨折治癒過程に出現するマクロファージの役割を詳細に明らかにする。間葉系幹細胞マーカーであるLrp受容体Creマウスを用いて、LepR陽性細胞の出現とマクロファージとの関係を明らかにする。
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