研究課題/領域番号 |
20K20395
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90236737)
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研究分担者 |
角家 健 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374276)
鵜川 重和 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (40706751)
森 太郎 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70312387)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 歩行パラメータ / 認知機能 |
研究実績の概要 |
自立した生活を営むためには、自身の力で思うところに動けること、すなわち歩けることが基本となる。本研究は、北海道内6町在住の介護認定を受けていない 70‐79歳を対象に、非侵襲、簡便かつ同時に複数のパラメータを測定できるウエアラブル端末を用いて歩行パラメータの把握を行い、その後の認知機能低下との関連を検討すること、さらに、その関連を修飾する身体機能、冬季及び夏季の身体活動を含む生活習慣、屋内環境、近隣環境を探索し、認知機能低下に資する介入可能要因を明らかにすることを目的としている。 2018年度に調査を行った歩行パラメータと認知機能との関連を利用可能であった236名を対象に横断的に解析した。得られたパラメータのうち意義等が重複するものを除いた20のパラメータを統計学的に総合したところ、4つの歩行因子が抽出された(一般的なサイクル、初期接触、推進力、ミッド・スイング)。これらのうち、いくつかの要因で調整した後もMoCA-Jで測定した認知機能との関連を示したのは、一般的なサイクルであった。また、認知機能のドメインで見ると、一般的なサイクルは実行機能と記憶に、初期接触は実行機能と関連していた。 2021年度に同じ対象者に参加を呼びかけ、再度認知機能を含むいくつかの調査を実施し、最終的に参加したもののうち165名のデータ分析が可能であった。歩行因子のうち一般的なサイクルが高いこと(歩行速度が速く歩幅が広いなど)は、有意ではないものの3年間の認知機能の低下を防止する可能性が示唆された。
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