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2019 年度 実績報告書

もの、語り、アート、宗教にみるトラウマ体験の共有と継承:ホロコーストと原爆投下

研究課題

研究課題/領域番号 19H05480
配分区分補助金
研究機関国際ファッション専門職大学

研究代表者

田中 雅一  国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 教授 (00188335)

研究分担者 根本 雅也  明治学院大学, 国際平和研究所, 助手 (00707383)
直野 章子  広島市立大学, 付置研究所, 教授 (10404013)
野村 真理  金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (20164741)
小田 博志  北海道大学, 文学研究院, 教授 (30333579)
松嶋 健  広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (40580882)
菅原 祥  京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (80739409)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
キーワードトラウマ / 物 / 語り / 宗教 / アート
研究実績の概要

本研究の目的は、4年の期間でもの(遺品など)、語り(ナラティヴ、証言)、アート、宗教の 分野を中心にどの様な形でトラウマ(心的外傷)体験が共有・継承されてきたのか、その阻害要因や問題点は何かを現地での取り組みに焦点を当てて、主としてフィールドワークによる実証的な視点から解明することである。具体的には、第二次世界大戦の最大の悲劇とされるホロコーストや原爆投下による被害などを取り上げる。
繰越金を使って、関連文献を購入した。また国内の戦跡に関する資料館・博物館(昭和館、平和祈念資料)を周り、過去の出来事がどのように展示されているのか、また語られているのかを調べた。トラウマを引き起こす戦災や天災の記憶をどう継承すべきかという問いは、古くて新しい問題である。これを人類の未来に警鐘を与える歴史的な出来事として捉えるなら、保存し広く人々に知らしめる必要がある。しかし、それはまた新たな苦しみを喚起することにもなる。これは一般にトラウマの二次受傷とされ、どこまでリアルな遺跡の保存をすべきかが様々な形で問われることになる。すでに東日本大震災の被災地においては震災遺構と呼ばれる被害にあった建物を保存するべきか、取り除くべきかという議論がなされてきた。博物館においては「正しい展示」をめぐっての議論が絶えない。こうした問題について関連資料館・博物館はどのように対処しているのか、が本プロジェクトのテーマの一つである。また直接的な表現ではないが、感情に訴えるアートはどのような力を持つのかについて考察を深めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は、アウシュヴィッツにおけるホロコーストと広島・長崎における被爆体験が主たる研究対象である。コロナ禍ならびにロシアによるウクライナ侵攻によって、ポーランドやその周辺国のホロコースト遺跡で調査を行うことは不可能であった。しかし、これを補う形で国内においては制限が緩和された時期に水俣やハンセン病患者療養施設を訪ねた。ズームによる研究会については予定通り実施できた。

今後の研究の推進方策

外国での調査は、今年度においてもなお困難と思われる。可能であっても経済的かつ時間的な制約が大きいため、予定通りの実施は難しい。引き続き日本での調査を優先して当初の目的を果たすように努力する。文献資料の収集やズームによる研究会は、引き続き実施する。
6月にトラウマ論に詳しいオレゴン大名誉教授のJanice Haakenの講演会を予定している。また最終年度でもあるため、報告書の準備をする予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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