研究課題/領域番号 |
19H05488
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
成 元哲 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20319221)
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研究分担者 |
牛島 佳代 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10336191)
木田 勇輔 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (70760734)
川野 英二 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20335334)
清水 洋行 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (50282786)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 子ども食堂 / ソシアビリテ / 市民社会インフラ / ボランティア / 社交 / NPO / ネットワーク |
研究実績の概要 |
市民活動が低調といわれた日本で、子ども食堂が全国で約5000ヵ所(2020年末の時点)をの盛り上がりを見せている。子ども食堂はソシアビリテ(社会的結合)の点でかつてない新しいネットワークを作り出しており、更なる拡がりの途上にある。 我々は子ども食堂を、家族とそれを取り巻く社会圏が伸縮し交差する状況の中で生み出された社交関係の一形式、すなわち、主にボランタリーな主体によって提供される新しいタイプのソシアビリテであると捉えている。 子ども食堂は貧困家庭や孤食の子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所として2012年から始まったが、その8割が任意団体やNPO法人が運営している。 なぜ子ども食堂が急増しているのか。その子ども食堂はどのようなネットワークによって支えられているのか。本研究の目的はソシアビリテの視点から、子ども食堂の運営者とそれを支えるネットワークの関係者へのインタビュー調査、資料収集、文献解読などを通じて、子ども食堂を生み出す要因を解明し、地域の交流拠点として定着するための条件を明らかにする作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子ども食堂の運営者とネットワークの関係者へのインタビュー調査と資料収集が進んでいるため
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今後の研究の推進方策 |
子ども食堂が地域的に不均等に存在する要因を解明すべく、マクロ統計データを使って困窮度説、都市度説の検討を加える予定である。また、個々の子ども食堂のつながりマップを作成することによって、子ども食堂を生み出す要因、またそれを支える要因を、都市の「市民社会インフラ(civic infrastructure)」という観点から考察する予定である。これにより、橋や道路だけがインフラではない。助け合いの精神(社会的凝集性)や市民社会組織、それらのネットワークなどが「市民社会インフラ」であり、こうしたインフラがないと、都市や地域は持続しない。持続可能な都市を目指すには、社会的孤立や不平等を低減し、多様な形態の市民社会インフラをつくっていく必要があることをデータをもとに、要因を特定し、施策につなげていきたいと考えている。
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