研究課題/領域番号 |
20K20422
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
園山 繁樹 島根県立大学, 人間文化学部, 教授 (90226720)
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研究分担者 |
趙 成河 筑波大学, 人間系, 特任助教 (20825070) [辞退]
松下 浩之 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (30633789)
藤原 映久 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (50642518)
酒井 貴庸 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (50744108)
山田 洋平 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (60735687)
奥村 真衣子 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (60824919)
宮本 昌子 筑波大学, 人間系, 教授 (70412327)
永田 真吾 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90784033)
佐藤 久美 郡山女子大学, 家政学部, 講師 (90915307)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 場面緘黙 / 情緒障害 / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
家庭では会話が可能でも、学校で発話ができなくなる場面緘黙(selective mutism)について、わが国における早期発見・早期支援体制は欧米に比べ大きく立ち遅れている。また場面緘黙の発症に関係する要因に関する研究は海外を含め後ろ向き研究がほとんどであり、関連要因は推定の域を出ない。そこで本研究では以下の3つの目的を設定している。<目的1> 保育場面(幼稚園、保育所、認定こども園)での場面緘黙の早期発見・早期支援システムを開発し、幼児特別支援教育を格段に拡充できる条件を提案する。<目的2> 幼稚園入園年齢(3歳または4歳)からの前向き研究(縦断研究)によって場面緘黙発症の関連要因を特定し、場面緘黙の予防方法を提案する。<目的3> 早期発見した場面緘黙及び高リスクの幼児に対して来談支援や遠隔支援等の早期支援を行い、場面緘黙の早期改善の具体的方法を提案する。 <目的1>については、システムの開発には至っていないが、幼稚園、保育所、認定こども園、小学校での早期発見・早期支援ために教師や保育士が活用できる入門書を出版した。 <目的2>については、新型コロナ感染症の拡大のため訪問継続観察による前向き研究は実施できなかったが、場面緘黙のリスクのある幼児のスクリーニングに活用できる尺度の開発に取り組み、第1段階のデータを障害科学学会でポスター発表した。 <目的3>については、教育相談や巡回相談として来談支援や遠隔支援に取り組み、1例については論文としてまとめた。 その他、場面緘黙に併存する可能性のある吃音に関して論文をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
<目的2>の幼児期の場面緘黙及びその心配のある幼児を対象にした前向き研究(縦断研究)については、2021年度も全国で新型コロナ感染症の拡大が続き、幼稚園・保育所・認定こども園への訪問や継続観察が困難であったため、実施することができなかった。 本研究に資する海外の場面緘黙研究の最新情報を収集についても、新型コロナ感染症の拡大が続いたため、2021年度も実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
<目的2>については、引き続き新型コロナ感染症の拡大状況によるが、研究協力が可能となった段階で、園所を対象にした質問紙調査(スクリーニング調査)を行い、場面緘黙の可能性のある幼児に対する定期的な訪問観察調査を定期的に実施し、その変化を明らかにする。 <目的3>については、現在も相談事例があり来談または遠隔で可能な形式で実施し、事例研究を実施する。 海外の場面緘黙に関する学術情報については、海外渡航は引き続き困難が予想されるため、文献研究などにより収集・整理を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内及び海外での新型コロナ感染症の拡大状況が継続したため、訪問を必要とする前向き研究、国内学会での発表等への参加移動、海外情報収集のための海外渡航が困難であったため、旅費等の執行ができなかった。 次年度については、新型コロナ感染症の拡大状況を見ながらであるが、上記の研究活動の実施に努める。
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