研究課題/領域番号 |
19H05509
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
肥後 陽介 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10444449)
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研究分担者 |
松島 亘志 筑波大学, システム情報系, 教授 (60251625)
大竹 雄 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90598822)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 土の形態変化 / ミクロスケール / 多相系 / マイクロメカニクスベースモデル / データサイエンス |
研究実績の概要 |
■X線マイクロCTによる「組織形態」の可視化 不飽和土の力学試験を実施し,X線マイクロCTとその画像解析を用いてミクロスケールでの土粒子,間隙中の水・空気の多相系「組織形態」変化を解明した.不飽和土の応力-ひずみ関係を得るための三軸圧縮試験を実施した.X線マイクロCTにより,試験中の湿潤・排水過程,せん断変形過程を空間分解能5μm で可視化し,土粒子,間隙に存在する水・空気の存在形態を識別した. ■粒状体マイクロメカニクスベースモデルの不飽和土への拡張 ミクロスケールの多相系組織形態変化に基づき,メソ~マクロの土の挙動を基本的な土質力学の物理量を用いて記述するマイクロメカニクスベースモデルを構築した.入力パラメータは,マクロな間隙比,ミクロな土粒子間のすべり剛性と摩擦角,粒度のみである.これに,Aで明らかにした間隙流体の存在形態,液架橋構造のサクションから,有効応力と土粒子間接触力への寄与を考慮した不飽和土のモデルへ拡張した. ■超解像技術によるミクロ~メソへのアップスケーリング X線マイクロCT画像にデータサイエンスを適用し,土が粒状体として潜在的に有するミクロな不均質性とメソ・マクロの物性値の空間変動の関係をモデル化し,不均質性のミクロ~メソ~マクロへのスケールアップを試みた.データサイエンスの超解像技術を応用し,ミクロスケール(土粒子・間隙)の高解像度CT画像とメソスケール(供試体)の中解像度CT画像の関係を「学習」させることにより,ミクロスケールの高解像度を維持した状態でメソスケールの空間規模の画像を取得した.これにより,数cmスケールの供試体全体にミクロスケールの不均質性をアップスケーリング理論を構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染拡大防止のため,カンザス大ミスラ教授との共同研究の計画を令和2年度に持ち越したが,同感染拡大の状況が改善しなかったため,計画を変更し京都大学において検証解析を実施した.その他,実験の実施,マルチスケールでのアップスケーリングに関する理論の構築に関する研究は予定通り実行した.
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今後の研究の推進方策 |
■粒状体マイクロメカニクスベースモデルの不飽和土への拡張:ミクロスケールの多相系組織形態変化に基づき,メソ~マクロの土の挙動を基本的な土質力学の物理量を用いて記述するマイクロメカニクスベースモデルを構築し,これを実装した地盤の変形解析法を確立する.前年度に引き続き,土相のみの粒状体マイクロメカニクスベース構成式を定式化する.特に,飽和度の高い領域についての定式化を行う.入力パラメータは,マクロな間隙比,ミクロな土粒子間のすべり剛性と摩擦角,粒度のみである.これに,実験で明らかにした間隙流体の存在形態,液架橋構造のサクションから,水分保持特性曲線を記述するとともに,有効応力と土粒子間接触力への寄与を考慮した不飽和土のモデルへ拡張する. この時,入力パラメータはマクロな飽和度のみであり,水分の分布は土粒子接触点,個々の間隙体積の分布からモデル化する. ■DEMによる実験結果の解釈とモデル検証:DEMシミュレーションを実施し,解析的に多相系組織形態変化を解釈する.また,DEM解析の結果の比較からマイクロメカニクスベースモデルの検証を行う. ■超解像技術によるミクロ~メソへのアップスケーリング:X線マイクロCT画像にデータサイエンスを適用し,土が粒状体として潜在的に有するミクロな不均質性とメソ・マクロの物性値の空間変動の関係をモデル化し,不均質性のミクロ~メソ~マクロへのスケールアップを実現する.前年度に引き続き,データサイエンスの超解像技術を応用し,ミクロスケール(土粒子・間隙)の高解像度CT画像とメソスケール(供試体)の中解像度CT画像の関係を「学習」させることにより,ミクロスケールの高解像度を維持した状態でメソスケールの空間規模の画像を取得する.これにより,数cmスケールの供試体全体にミクロスケールの不均質性をアップスケーリングする.
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