研究課題
挑戦的研究(開拓)
無機層状化合物の結晶端(すなわち層端面)は層表面とは異なる特異な性質を有すると予想されるが、その本質は理解されておらず全く未開拓の分野であった。本研究課題では、結晶外表面に対する層端面の露出割合を制御する合成化学の確立を目指し、層状金属水酸化物の積層方向への異方的な結晶成長法や水酸化物ナノシートのボトムアップ的なラテラルサイズ制御法を開発した。また、積層方向サイズがラテラルサイズを超えるロッド状結晶の解析により、端面に存在すると考えられる水酸基の検出に成功した。
無機合成化学
無機層状化合物は古くから幅広い分野で用いられてきた材料群であるが、結晶端となる層端面に由来する情報は平均構造の中に埋もれていた。本研究で開発に成功した結晶外表面に対する層端面の露出割合を制御する様々な形態制御法は、層端面の理解・活用を大きく前進させるものであり、二次元化合物の科学の深化や次世代材料開発に向け、幅広い無機材料を横断する新たな研究領域の開拓につながると期待される。