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2020 年度 実施状況報告書

超越的高収量・高水生産性水稲ヒコバエ栽培法のメカニズムと環境負荷低減効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K20456
配分区分基金
研究機関国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

研究代表者

白木 秀太郎  国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (90837501)

研究分担者 山岡 和純  国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 企画連携部, 再雇用職員 (70463883)
溝口 勝  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00181917)
木村 匡臣  近畿大学, 農学部, 講師 (80725664)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード水稲再生栽培 / 生育モニタリング / 栄養塩類
研究実績の概要

本年度は、熱帯多年生イネ栽培の高収量メカニズムの解明および環境保全面の評価のため、以下を実施した。
(1)熱帯多年生イネ栽培試験については、共同研究機関であるミャンマー農業研究局DARの試験圃場において各種比較栽培試験を実施した。コンクリートタンク試験水田の試験結果から、前作稲収穫前後4週間を土壌乾燥条件で水管理した再生稲の籾収量は、飽和条件で水管理した場合に比べて50%以上増加すること、また、前作収穫後に行う再生作のための追加的な株刈りには増収効果は認められないことを明らかにした。また、試験圃場でのコンバインハーベスタを導入した再生稲栽培試験では、手刈りによるものと同等の収量が得られることを確認した。
(2)イネの生育・環境等のモニタリングについては、コロナ禍でミャンマーDAR試験圃場や東京大学生態調和農学機構の慣行水田での試験ができなかったため、代わりに茨城県土浦市宍塚のSRI水田に気象センサー、水位センサー、生育調査カメラを設置して、ICT技術によるフィールドモニタリングシステムを構築した。また、ドローンを用いてイネの背丈を観察する手法を開発した。
(3)熱帯多年生イネ栽培の環境負荷低減効果については、ミャンマーDARにおいて、熱帯多年生イネ栽培法及び慣行移植農法による水田からの栄養塩類の排出負荷量を計測するための実験対象水田区画を選定した。そして、試験水田圃場における田面水を定期的に採水し、栄養塩類の分析を実施することにより、その濃度の時系列データを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ミャンマー国ネピドー特別市ザヤテリ郡イエジン地区のDAR試験圃場において、DAR研究協力者と連携を図りながら、多年生イネ栽培試験、田面水の栄養塩類濃度の分析、作物体の栄養塩類の含有量の分析を実施している。イネの生育等モニタリングについては、国内において設計・動作確認も含めてほぼ予定通り進んでいる。加えて、ドローンによるイネの背丈測定のアルゴリズムもほぼ開発できた。

今後の研究の推進方策

熱帯多年生イネ栽培法の増収要因を探索するための栽培試験をDAR試験圃場において継続し、国内で準備したイネ生育等モニタリング機器をDAR試験圃場に設置しモニタリングを開始する。また、これまでにDAR試験圃場において取得した栄養塩類濃度等データの解析を実施し、水収支と組み合わせることにより、栄養塩類収支の評価に取り組む。併せて、水田からの栄養塩排出負荷量を抑制する営農方法、水管理方法に関する既往の研究成果のレビューを行う。なお、ミャンマーの情勢不安が継続する場合は、多年生イネ栽培試験や栄養塩類分析は令和3年度に他熱帯地域での補完的な実施を検討し、イネの生育等モニタリングは令和2年に引き続き茨城県土浦市宍塚のSRI水田でモニタリング手法を改善する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍やミャンマー情勢の混乱の影響でミャンマーへの渡航ができなくなり旅費等が使用できなくなった。このため、ミャンマーでは業務委託により栽培試験を継続するとともに、第三国において補完的な栽培試験や水田栄養塩類の分析を行う計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] 農業研究局(ミャンマー)

    • 国名
      ミャンマー
    • 外国機関名
      農業研究局
  • [雑誌論文] Effects of the Double-Cutting Method for Ratooning Rice in the SALIBU system under Different Soil Moisture Conditions on Grain Yield and Regeneration Rate2020

    • 著者名/発表者名
      Shutaro Shiraki, Thin Mar Cho, Khin Mar Htay, Kazumi Yamaoka
    • 雑誌名

      Agronomy

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.3390/agronomy10111621

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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