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2022 年度 実施状況報告書

超越的高収量・高水生産性水稲ヒコバエ栽培法のメカニズムと環境負荷低減効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K20456
研究機関国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

研究代表者

白木 秀太郎  国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (90837501)

研究分担者 山岡 和純  国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 企画連携部, 再雇用職員 (70463883) [辞退]
溝口 勝  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00181917)
木村 匡臣  近畿大学, 農学部, 講師 (80725664)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード水稲再生栽培 / 生育モニタリング / 栄養塩類
研究実績の概要

本年度は熱帯多年生イネ栽培の高収量メカニズムの分析および環境保全面の評価のため、以下を実施した。
(1)熱帯多年生イネ栽培試験について、共同研究機関であるミャンマー農業研究局DARの試験圃場、ベトナム・クーロンデルタ稲研究所CLRRIの試験圃場において栽培試験を継続した。DARでは屋外水根栽培(バスケット法)条件下において多年生イネにおける根の形態形成を明らかにした。10品種の多年生イネ栽培を実施し、多年生イネと通常イネの根量を比較したところ、通常イネに対する多年生イネの茎当たり根量は根数が64%、根長が21%、根重が29%であった。また、多年生イネの根量と籾重は有意な正の相関が認められたことから、再生稲の低収量要因の一つは、発根力の低下に起因することが示唆された。
(2)LTE-SIMで作動するWiFiカメラシステムから送られてくる現場のイネの生育状況の画像と各種センサーデータを統合して1つのWebページに表示するためのソフトを試作した。
(3)多年生イネ栽培の環境負荷低減効果を推計するための技術として、田面水中の栄養塩濃度を、SS(浮遊物質量)濃度、水温、電気伝導度から推定する簡易モデルの作成に取り組んだ。国内の水田圃場において、定期的に田面水を採水、栄養塩濃度の分析を行い、水温、水深、電気伝導度の連続モニタリングデータを用いて、機械学習による栄養塩濃度の推計モデルのプロトタイプを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多年生イネ栽培試験については研究の精度向上を図るため、新たにベトナム中央地域を加えるなど研究計画を見直した。これにより、研究期間の延長が必要になったが、ベトナムにおいては研究推進上の問題はない。また、ミャンマーへの渡航が制限される状況下においても、機材を輸送し改良したモニタリングシステムを設置することで、現地の状況をWeb上で確認するなど両国の研究者間でデータ共有ができる。また、国内の代替水田圃場における田面水の水質モニタリング、解析等、可能な限りの手段を用いて研究開発に向けて取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

(1)熱帯多年生イネ栽培法の増収要因を探索するための栽培試験を2か国3地域で継続し、遺伝的・環境的要因の違いがイネの再生能に及ぼす影響を明らかにする。
(2)モニタリングシステムに関してはデータ統合Webページのソフト開発を行う。
(3)水田圃場からの栄養塩排出負荷量の推定手法の構築に向け、国内の水田圃場において、SS(浮遊物質量)濃度、電気伝導度、栄養塩濃度の連続モニタリングを実施し、栄養塩収支を明らかにするとともに、田面水の栄養塩濃度の簡易推定手法の改良を実施する。

次年度使用額が生じた理由

ミャンマーの情勢不安が改善しないこと、また、共同研究機関との研究計画の調整により、栽培試験計画を見直したことで次年度使用額が生じた。このため、ミャンマー等へ機材輸送し、リモートによる栽培試験やモニタリングシステムの検証を行うとともに、国内水田圃場での栄養塩モニタリングおよび、栄養塩排出負荷量の推定手法の開発に注力する計画である。

備考

国際農林水産業研究成果情報 2021

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] 農業研究局(ミャンマー)

    • 国名
      ミャンマー
    • 外国機関名
      農業研究局
  • [国際共同研究] クーロンデルタ稲研究所/フエ農林大学(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      クーロンデルタ稲研究所/フエ農林大学
  • [学会発表] 多年生稲の収量関連形質の再生長特性:メタ分析2023

    • 著者名/発表者名
      白木秀太郎・Thin Mar Cho・Kyaw Myaing・Aung Kyaw Thu.
    • 学会等名
      日本作物学会第255回講演会
  • [備考] 再生稲の水分消費は、移植稲と比較して生育初期で大きく生育後期で小さい

    • URL

      https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2021_a02

  • [学会・シンポジウム開催] ミャンマー農業研究局再生稲研究ワークショップ(JIRCAS-DAR Workshop for Ratoon Rice Research)2022

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公開日: 2023-12-25  

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