研究課題/領域番号 |
20K20460
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補助金の研究課題番号 |
19H05548 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
林 茂生 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (60183092)
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研究分担者 |
岩根 敦子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (30252638)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 昆虫 / クチクラ / 細胞外マトリックス / ナノ構造 / 嗅覚器官 / FIB-SEM |
研究成果の概要 |
昆虫クチクラはナノレベルの微細構造が構造色、超撥水性などの機能性を帯びることで多機能性を実現させる。細胞外マトリックスであるクチクラのナノパターン構築の仕組みを解明するためにショウジョウバエ嗅覚器官のナノポア構造構築の仕組みを追求した。クチクラ形成が開始する蛹化二日目の嗅覚器官を三次元電子顕微鏡(FIB-SEM)により解析し、非感覚細胞に比べて大幅に発達した小胞体ネットワークを見出した。gore-tex遺伝子の変異体では小胞体ネットワークに乱れが生じ、ナノポア形成が不全となった。Gore-tex分子は細胞内膜器官に局在して、小胞体に作用することでクチクラナノパターンを制御するものと考えられた。
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自由記述の分野 |
発生生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構造色などを示すナノレベルの表面構造は鳥類、昆虫、植物など広く生物界に観察され、バイオミメテイクスとして生体を模倣する工業素材の開発を促してきた。しかしこれらの構造の生物学的形成基盤は不明なため生体材料を用いた機能的ナノ構造の構築は実現していない。本研究で解明された昆虫嗅覚器官のナノポアは多糖であるキチンを主成分とするクチクラに構築される。ショウジョウバエで発達している遺伝子操作技術でナノポア形成を操ることで、生物適合性のある素材で機能的ナノ構造を構築し、生体に応用する手法への手がかりが得られたと考えられる。
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