研究課題
本研究課題では、疾患制御に有用な機能性エクソソームを分泌する細胞内包ゲルシステムの確立を目的とし、特に生体埋め込み型の細胞治療に応用できる技術構築を進めている。治療に貢献できる機能性エクソソームを分泌する母細胞をゲルに内包し、“box”としてエクソソームのみが分泌され、細胞は分泌されない技術構築を行うことを研究課題としている。CD63-GFP HeLa 細胞を足場材料コラーゲンと混合した後、外枠のアガロースに封入することで、細胞内包ゲルを作製し、前年度に引き続き、オンデマンドに分泌エクソソームへの細胞標的能をゲル内でできるように、エクソソームマーカータンパク質に結合する抗体を母細胞と同時にゲル内に内包させ、母細胞から分泌されたエクソソームの膜表面にゲル内で抗体を結合させ、細胞標的を行う技術を進展させている。ビオチンを抗体に化学結合させることで、ゲル内で分泌されたエクソソームの膜表面をビオチン化することに成功し、さらにストレプトアビジンを用いることで、目的受容体を標的するためのリガンドを結合させることが可能となった(例えば、biotin-EGFを加えることで、がんに高発現することが知られている上皮成長因子受容体(EGFR)を狙った細胞内導入に繋がる基盤技術の構築に成功した)。一方で、動物へのエクソソーム分泌細胞内包ゲルの移植と分泌エクソソームの体内動態・組織移行の評価に関しても現在検討を進めており、ゲル移植で生じる炎症惹起を防ぐための最適化が改善すべき課題となっている。これまでの技術では、コラーゲンとアガロースゲルを用いたシンプルな手法であるが、生体適合性の高いゲルを混合することで、炎症惹起を防ぐ条件でのエクソソームの分泌性と細胞内導入への影響を含めたさらなる実用性の高い最適化を進めている。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (60件) (うち国際学会 2件、 招待講演 15件) 備考 (1件)
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