研究課題/領域番号 |
19H05568
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70239490)
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研究分担者 |
小椋 俊彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70371028)
岩山 智明 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80757865)
柏木 陽一郎 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (20598396)
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 骨芽細胞 / 基質小胞 |
研究実績の概要 |
本研究では、大阪大学グループと産業技術総合研究所(産総研)グループの2グループによる研究班を編成し、石灰化の初期過程の解明を目指す。本年度は以下の研究を実施した。 大阪大学・村上グループは、ゲノム編集技術を用いて基質小胞形成に関与する4遺伝子のノックアウト骨芽細胞クローンを作製した。このうち、3遺伝子については、その相互作用を検討するために、ダブルノックアウト細胞を作製した。すべての細胞はシングルセルソーティングによりクローン化し、ストックを完了した。ゲノム編集部位近傍のPCR産物のキャピラリー電気泳動によりノックアウト細胞のスクリーニングを行い、複数のクローンを樹立後、石灰化誘導培地中で培養、アリザリン染色により石灰化能を検討したところ、これまでの報告と一致して、Alplノックアウト細胞では石灰化物を全く形成しないことが確認された。さらに無機リン酸濃度を測定する実験系を確立し、基質小胞の観察と培養液中および細胞内の無機リン酸濃度の関連を検討した。一方で、基質小胞が細胞内で形成された後、細胞外に分泌され、細胞外基質との相互作用により、細胞外で骨基質が形成される。この放出後の基質小胞と細胞外基質との分子間相互作用について解析するために、Nicoya社のOpenSPRを導入し、まず既知の分子間相互作用が定量的に解析できることを確認した。 産総研・小椋グループでは、細胞を生きたまま溶液中でナノレベル観察できる誘電率顕微鏡の改良を行った。SEM用ペルチェ加熱冷却ステージCoolstageを温度制御ステージを導入し、至適撮影条件を検討した結果、解像度の高い撮像における温度によるアーチファクト(温度ドリフト)を最小限に抑えることが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画通りに、複数の細胞のノックアウト細胞クローンの樹立・解析、誘電率顕微鏡の改良が達成されたため。
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今後の研究の推進方策 |
作製した細胞の誘電率顕微鏡を用いた解析を進めるとともに、平行して、引き続き他の関連遺伝子のノックアウト細胞クローンの作製を行う。産総研・小椋グループと連携し、改良した走査型電子誘電率顕微鏡を用いて、これらのノックアウト細胞クローンの非染色・非固定での観察を行う。
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