研究課題/領域番号 |
19H05569
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
掛山 正心 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30353535)
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研究分担者 |
吉岡 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80425496)
山末 英典 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80436493)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 予防医学 / バイオマーカー / 衛生学 |
研究実績の概要 |
社会性に関する問題(社会行動異常)は、自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとした発達障害の主症状の一つである。我々は、化学物質曝露マウスや社会隔離経験を受けたマウスの中で、行動表現型と脳活動パターンがASD当事者に類似する「環境要因ASDモデルマウス」を見出した。本研究では、これらのモデルマウスを利用し、環境要因によって生じる社会行動異常のバイオマーカーを同定することを目的とした。採血の難しい乳幼児に対応するため、唾液試料からのバイオマーカー測定を実現し、社会医学、看護学及び関連領域に貢献することも目指した。また、ヒトと実験動物で共通であることを利用してヒへの外挿を可能とする動物バイオマーカーとして提示し、疾患モデル研究、実験系衛生学に資する。そして化学物質に限らず、細菌・微生物感染や社会的生育環境など、児のこころの発達に影響を及ぼす環境要因は多い。近年、不適切な生育環境(虐待や育児放棄)によりASDないし注意欠如多動症(ADHD)と同様の症状が顕れること(反応性愛着障害)も問題となっているが、社会隔離マウスはそのモデルとして検討を進めているものである。ASDは、スペクトラムの概念が用いられたように、症状もブロードであり、疾患と健常の境界も連続的である。そこで本研究では、マウスの社会行動異常を基準として、ヒトとの種間比較によりバイオマーカーを同定する戦略をとることとした。化学物質の胎仔期低用量曝露により社会行動異常を表出しているマウスと、社会性の問題やコミュニーションの障害をもつヒトの共通項を検出するトランスレーショナル研究戦略をとることで、バイオマーカーの絞り込み作業を行った。本年度は低分子RNA (small RNA)に関する解析を行った。細胞の特徴的な活動や異常のバイオマーカーとなりうる可能性を示唆する知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響については、早稲田大学からの支援により、当該年度についてはごく軽微にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
AMED融合脳において解析が進んでいるモデルマウスの生体試料供与を受け、効率的なバイオマーカー解析を行うことで、COVID-19の影響を最小限にとどめ、当初計画を遂行できる見込みである。
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備考 |
成果として記載した論文の内容は、主として本研究開始前の成果をもとにしたものだが、論文作成は本研究課題によって行なった。
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