研究課題/領域番号 |
19H05576
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤代 一成 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00181347)
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研究分担者 |
茅 暁陽 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20283195)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 立体視 / リダイレクション / 視線計測 / アナモルフォシス / VR酔い |
研究実績の概要 |
交付申請書に記載したとおり,本研究は4フェーズに分かれる.初年度である今年度は, (前半)フェーズI:リダイレクション研究開発の状況調査 (後半)フェーズII:(課題A)簡易裸眼立体視におけるアナモルフォシスの先鋭化 を実施した. フェーズIでは,リダイレクションとその関連事項の文献調査および国内外の主要研究の見聞調査を実施し,課題Aと課題Bの解決へ向けた研究開発の基本方針を策定した. フェーズIIでは,L字型に直交配置された狭額ラスタディスプレイ2枚を用いた個人向け裸眼立体視環境の基本原理となっているアナモルフォシスの視覚効果を先鋭化するために,両眼視差による相殺効果を軽減する手法を考案した.本年度終了時点でもっとも有力な方式は,顔追跡を視線追跡に切り替え,立体視の構図により強い影響を与える利き目を自動検出することにより,ピンポイントのアナモルフォシス投影を維持することである.実際,眼科学でも利用されているJones法にヒントを得た方式を開発し,利き目を頑健に推定可能なことが,20名の被験者を擁した実験結果の統計的検定を通して検証することができた.さらに,利き目をピンポイントとしてアナモルフォシスを構成する方が呈示物体に正対する効果が高いことも確認できた.加えて,正対する効果がさらに高くなるような,両眼間の按分点が個人ごとに存在することが予見されたのは予想外の成果であり,次年度以降のさらなる先鋭化に向けてきわめて有力な手掛かりとなることが期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
利き目の特定だけでなく,両眼の按分位置に「第三の眼」とも言うべき,アナモルフォシスを最も先鋭化する位置が見つかることを新たに突き止めたことが大きい.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,本年度に得た知見を利用して,アナモルフォシスの先鋭化が特に必要となる,折畳みディスプレイを搭載した小型ラップトップPC等のポータブル機器を用いて,実質的効果を確認する.
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