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2019 年度 実績報告書

非生物・生物ハイブリッド人工光合成システムの構築:持続可能な酢酸生成拠点の創出

研究課題

研究課題/領域番号 19H05582
配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

岡部 聡  北海道大学, 工学研究院, 教授 (10253816)

研究分担者 渡辺 精一  北海道大学, 工学研究院, 教授 (60241353)
佐藤 久  北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード光電気化学太陽電池(PEC) / 複合金属ナノ酸化物半導体 / CO2還元有価物合成 / ホモ酢酸生成細菌 / 水の光分解
研究実績の概要

本研究では、無尽蔵の太陽光エネルギーと水および不要な二酸化炭素(CO2)から有用な物質(化学エネルギー)を人工的に作りだす「非生物・生物ハイブリッド人工光合成」システムを構築することを目的とする。具体的には、光電気化学太陽電池(PEC)とバイオ燃料電池(MFC)から成る「明反応系」とホモ酢酸生成バイオリアクターの「暗反応系」を組み合わせた、CO2と水を原料とし太陽光エネルギー(可視光)と廃水をエネルギー源として、常温常圧、中性条件下で酢酸(2炭素化合物)を生産可能なバイオ‐光電気化学太陽電池ハイブリッドシステムを構築する。
そこで本年度は、可視光領域で作用する複合金属ナノ酸化物半導体の作製を行った。本研究では、安価で身近に豊富に存在する銅と亜鉛を用いて、金属ナノ酸化物半導体を本研究申請の分担研究者である渡辺らによって開発された水中結晶光合成(G-SPSC)法により、UV照射下、常温常圧、中性水条件下において作製した。
結果、G-SPSC法によりCuOワイヤ表面にZnO層とナノロッド構造を有しているZnO/CuO接合体を常温常圧で合成することに成功した。作製したZnO/CuO接合体の水の光分解特性を把握するために水素発生試験を行った。ZnO/CuO接合体(-1.11 V vs. NHE)へ可視光を照射したところ、既報のZnOとCuOを用いた半導体光触媒の29倍の電流密度(13.8 mA/cm2)、42倍の水素生成速度(71.1 mmol/h/g)を示した。
CO2を還元する要素技術については,従来の高価なレアメタルに依らない新規な高効率CO2還元触媒として微生物反応の活用を試みた。H2をエネルギー源とし,CO2をC2有価物まで還元するホモ酢酸生成細菌 (Sporomusa ovata) のカソードから直接電子 (e-) を受け取るCO2還元酢酸生成 (電気培養) に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的を達成するためには、以下の3つの研究開発項目について検討する必要がある。(1)可視光域にも応答する新規な半導体光触媒の合成、(2) CO2還元可能な新規要素技術の検討、(3)これらを融合した光電気化学太陽電池(PEC)を開発する。これまでに研究開発項目(1)と(2)の目的をある程度達成することができた。残る(3)は両者を結合し酢酸合成を最適化するのみである。

今後の研究の推進方策

これまでにp-n接合を有し,可視光で水を光分解する複合金属ナノ酸化物半導体ZnO/CuO の作製,ホモ酢酸生成細菌 (Sporomusa ovata) のカソードから直接電子 (e-) を受け取るCO2還元酢酸生成 (電気培養) に成功した.今後は,ZnO/CuOの最適な作製条件の検討および性能評価,S. ovataの電気培養による酢酸生成に電子供給速度 (電流) が及ぼす影響を明らかにし,Bio-PEC cellの構築の可能性について検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 無機‐生物ハイブリッド人工光合成システムによる酢酸合成2020

    • 著者名/発表者名
      松尾稜介, 高橋優樹, 百瀬皓太, 渡辺精一, 岡部 聡
    • 学会等名
      第54回日本水環境学会年会 (2020年3月16日-18日, 岩手大学, 岩手)

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公開日: 2021-12-27  

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