本研究では、免疫チェックポイント阻害剤として低分子化合物を高活性化することを二つの原理から目指した。一つには、ペプチド鎖を複合化し、ペプチドによる相互作用点を増やすことで、より強く標的に相互作用させる方法である。そのために新しい低分子化合物ーペプチド・ライブラリー調製による進化分子工学の手法を開発した。もう一つには、低分子化合物を多価化した高分子医薬を開発した。分岐型ポリエチレングリコールやポリアミドアミンデンドリマーと複合化したり、重合性基を導入した。金ナノ粒子への固定化も行った。本研究では低分子阻害剤として3種類を用いたが、阻害剤の種類によってこれらの多価化効果が異なることがわかった。
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