研究課題/領域番号 |
20K20501
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
大西 拓一郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 教授 (30213797)
|
研究分担者 |
小木曽 智信 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 教授 (20337489)
谷 謙二 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40323381)
高田 智和 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 准教授 (90415612)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2026-03-31
|
キーワード | 歴史地名データ / 大日本地名辞書 / 物類称呼 / 通時コーパス / 古辞書 / 方言分布 / 地名 / GIS |
研究実績の概要 |
データベース化された古辞書やコーパス化された古典籍に空間情報を付与し、古辞書・古典類の活用範囲ならびに活用方法を拡張することを通して、地理空間を基盤とした人文学の横断的展開の実現を目的とする。 言語データについては、古辞書や主要古典籍を対象に国立国語研究所が電子化・データベース化・コーパス化を実施している。歴史的地名については人間文化研究機構が吉田東伍『大日本地名辞書』を中心に空間情報(経度緯度)を付与した歴史地名データを公開している。 地名を介して、言語データと歴史地名データの相互を結びつけることで、古辞書・古典籍など古典類の空間的情報化を実施し、人文学の活性化に貢献することを目指す。 言語地理学・コーパス言語学・文字論・地理学のコラボレーションを基盤に地名を介して、オープンデータをつなぎ、21世紀に大きな展開と普及が進む地理情報システム(GIS)による各種資料の地図視覚化を実現させる。 以上を実現するために、メンバー全員が参加するオンラインの会合を1回開催し、全体の方針の確認、最終成果に至るまでの研究計画を確認した。それに基づき、第1年度は、全体方針の共有、基盤となる資料の電子化と共有、研究成果のラフスケッチを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『物類称呼』第1巻について、「語形」「意味」「場所」「本文の箇所」を中心としたデータベース化のテストを実施した。とくに「場所」に該当する「地名」の扱いの適正化について検討した。 『物類称呼』のデータベース化にあわせて実施の方言分布を照合するため、言語地図集のデータ化を進めた。 古典籍について、国立国語研究所の通時コーパスをもとに「地名」がどのように現れるのかを試験的に調査した。同一地名の表記の幅が大きいことを確認された。また、万葉集東歌の詠み手の出身地情報を付与する方法について検討した。 歴史地名データとの照合作業を行うためには『大日本地名辞書』の本文は欠かせないので、作業で活用するためにPDF化を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
『物類称呼』のデータベース化を継続し、「地名」を歴史地名データと適切に紐付けできるようにするための方法の検討を続ける。また、あわせて方言分布を示す言語地図集のデータベース化を継続する。 国立国語研究所通時コーパスの「地名」を歴史地名データと紐付けするための作業を具体化する。また、万葉集東歌の詠み手情報の付与方法を具体化する。 以上の作業を外注化する方法を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で作業外注の発注が滞ったため、次年度使用額が生じた。 新型コロナウイルス感染症の拡大は当面継続するものと考えて、オンラインで作業委託できる外注作業の内容と方法を策定する。
|
備考 |
国立国語研究所 言語地図データベース
|