研究実績の概要 |
本研究では、公官庁がオンライン公開する公共資料の市民利用を促進・支援するための教育サービスの在り方について調査・研究している。そして、日本に先駆け、公官庁が大規模オンライン講座を開設しているタイ国大学省が管轄する国立のT-MOOCsを研究対象として関連する調査や試行を現地の研究者と共同して研究した。最終年度は、これまで活用していたオンライン交流の分析手法に加えて質的内容分析法及び、序列分析を加えて、オンライン交流の詳細な分析に取り組んだ。そして、交流メッセージにおける感謝メッセージの働きや、オンラインで形成された集合知の同定、参加者の学習意欲の同定などを行い、学習コミュニティの形成と特性についてまとめることができた。 コロナ禍で、海外渡航が容易ではない中、本年度は何とか海外活動も行うことができた。プロシーディングスがWeb Of Scienceで公開される欧州の国際会議で研究報告することができた。また、計3件のWeb of Scienceにインデックスされている国際学術雑誌(Tier 1, Q2, Q2)での研究成果の掲載を行うことができた。その中では、特にオンラインディスカッションフォーラムでの学術的交流に見られる特性について、意欲、感謝、集合的知性をキーワードにして分析を行い、出現したオンラインコミュニティーの特性について解明することができた。渡航可能になり、現地での研究協議も実施できた。特に、研究成果より考えられるアフォーダンスについては、MOOCs運営組織のタイ国大学省と共通理解できた部分が多数あり、その後大学省内で事業予算化が行われ、申請者、現地チュラロンコン大学、キングモンクット工科大学が連携協力した新規T-MOOCsコース開発が決まり、具体的な社会貢献につなげることができた。
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