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2021 年度 実施状況報告書

学校における子どもの体温調節能力の発達過程の解明と熱中症予防の教育介入研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K20515
研究機関新潟大学

研究代表者

天野 達郎  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60734522)

研究分担者 細川 由梨  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (30822829)
檜皮 貴子  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50463948)
井上 芳光  大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2024-03-31
キーワード熱中症 / 暑熱 / 尿比重 / 学校 / 子ども / iButton
研究実績の概要

R3年度は小学生から中学生までの子どもが暴露されている環境と体水分状態の個人差や季節差を調べる調査を行った。290名程度の児童生徒を対象に,実験1では春および夏に採尿を行って尿比重,尿浸透圧,尿カラーを調べてそれらの関係を解析した。その結果,年齢に関わらず,子どもたちの尿比重や浸透圧は十分な体水分状態基準(それぞれ1.025や800mOsm/kg)と比較して有意に高い値であった。またこれらの値は春に比べて夏に低くなり,夏の方が十分な水分を日ごろから摂取できている可能性が考えられた。
実験2では130名程度の子どもを対象に,7月の1週間iButtonを持って生活してもらい,暴露されている温度湿度環境を解析した。しかし,残念なことに研究機器の操作ミスにより,月曜日から金曜日のデータを損失してしまった。そのため土日の温度暴露環境を解析した。その結果,アンケート調査から得られた各子どもたちの所在地の気象データと比べると,昼間にはやや高い気温に暴露されている傾向であった。その中の数名は40℃を超える環境にいた人もおり(野球の練習をしていた),普段目にする気象情報よりも厳しい環境下で生活している子どもがいることが考えられた。なお詳細はまだ解析の途中である。
これらの調査に加えて,実験室では運動時の発汗量の単一汗腺発汗量や活動汗腺数が子どもと大人で異なるかどうかについても実験を行い,子どもは運動強度の増加に対して発汗量の増加が大人ほど大きくないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定されていた調査を行うことができたため,おおむね順調に進行していると判断できる。ただデータを大きく損失してしまったこともあり,今後の課題となった。

今後の研究の推進方策

損失したデータは学校活動時のものであり,今後の学校における熱中症予防などを行うためには重要なデータであったことから,次年度に再度調査を行う予定である。また熱中症は小中学校よりも高校で多く起きることからも,高校における調査も行いたいと考えている。さらに,このような個別データから,子どもたちの熱中症予防を促すための教育教材を考えてその効果を実践したい。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響もあり,学校によっては調査研究に介入することができない場所もあった。次年度以降の研究を行う際に,R3年度に実施することができなかった調査も同時に行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Influence of exercise intensity and regional differences in the sudomotor recruitment pattern in exercising prepubertal boys and young men2022

    • 著者名/発表者名
      Amano T, Asami T, Ichinose-Kuwahara T, Okushima D, Ueda H, Kondo N, and Inoue Y
    • 雑誌名

      Physiology and Behavior

      巻: 243 ページ: 113642

    • DOI

      10.1016/j.physbeh.2021.113642

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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