希ガス同位体は地球内部の物質移動に重要な制約を与える重要な地球化学的トレーサーであるが、マントル試料中の濃度が極めて低いため、試料の微細構造等と対応させた局所分析が困難であった。本研究の学術的意義は、希ガス質量分析計を高感度化することで局所分析と微小試料の分析を可能にし、従来よりも精緻にマントルの化学的不均質の進化過程を明らかにしたことにある。本研究で開発した技術は、火山岩中の斑晶に残されている、火山噴火につながるマグマの混合や脱ガス等の過程の解明や、惑星探査機で持ち帰った微小な地球外天体試料の分析に応用できると期待されるため、火山防災や惑星探査の観点で社会に貢献できると期待される。
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