研究課題/領域番号 |
20K20538
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古関 潤一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30272511)
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研究分担者 |
京川 裕之 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60799865)
大坪 正英 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 主任研究員 (80804103)
竹内 渉 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50451878)
渡邉 健治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (80425925)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 液状化 / 粒状体 / 微視的挙動 / 巨視的挙動 / 地盤工学 |
研究実績の概要 |
地震時に砂地盤が液状化すると、各種の社会基盤施設や建築物に被害を引き起こす。このような液状化地盤の大変形は、有効応力がほぼゼロになった状態で進行しやすいことが知られているが、このせん断挙動の高精度計測は技術的な困難を伴う。 砂の間隙を水で飽和させる通常の液状化試験は、これらの材料の密度の違いに起因する自重の影響から逃れることができない。一方で、水とほぼ同じ密度を有する粒状体材料を用いて水浸条件下で試験を行うと、自重の影響をほぼ受けずに極低拘束圧下で挙動評価を行うことが可能になる。 そこで本研究では、砂地盤が完全に液状化した際の挙動を解明し、その評価手法を抜本的に革新することを最終的な目標として、極低拘束圧下でのせん断挙動を評価できる特殊な装置を新規開発して粒状体の微視的・巨視的な挙動を高精度に計測し、これらを適切にモデル化する検討を行った。 最終年度である本年度は、水とほぼ同じ密度を有する高分子材料の丸棒を積層させた供試体の等体積繰返し二軸試験を系統的に実施した。水浸条件下で自重の影響をほとんど受けない場合のほうが、乾燥条件下で実施した場合よりも小さな値まで拘束圧が低下し、その後の変形挙動も異なることを明らかにした。また、この試験装置を一部改良することで、従来の二軸せん断モードに加えて新たに単純せん断モードでも繰返し載荷できるようにして、地震時における実地盤のせん断モードの再現性を向上させた。 さらに、極低拘束圧下における粒状体材料のせん断挙動に関し、丸棒自体とその積層体内での相互力学作用を微視的にモデル化できる個別要素法を用いた数値解析を前年度に引続き実施した。別途実施した丸棒の基礎的力学試験結果に基づいて解析パラメータを設定することで、前述した繰返し二軸試験結果を妥当に再現できることを見出すとともに、各丸棒間での微視的接触状況が自重の有無によって大きく異なることを明らかにした。
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