研究課題
強磁性形状記憶合金を対象に,固相超臨界状態における相変移の解明,機能発現,およびそれによる革新的機能変換材料の創成を行い,併せて,センサーやアクチュエータとしての複合材料の開発を行った.主な対象はNiFeCoGaとNiMnGa合金である.NiFeCoGa合金から微小単結晶を切り出し圧縮試験を行った結果,[111]と[110]方位では変態ヒステリシスが見られるが,[001]方位では温度上昇に伴いヒステリシスが減少し,353Kで消失する現象を確認した.さらに,引張試験と超音波測定で弾性挙動を測定した結果,母相オーステナイト相とマルテンサイト相が相転移近傍温度で強く非線形の弾性応答を示すことが明らかになった.これらについて,ランダウエネルギーにおけるパラメータの温度変化を表現するエネルギーマップを明示することができた.超臨界状態の変形が,ポストクリティカルホモ遷移で期待される試料全体で均一に起こることを確かめるため,デジタル画像相関法DICで変形中の歪分布を求める計画とし,試験片の量的問題からチタン基形状記憶合金で室温での手法を確立できた.しかし,用いたNiFeGaCo単結晶が室温では通常の相変態を示し,ホモ変態の観察には高温評価が必要であり,合金組成の再検討や高温直接観察法の確立が必要であった.疲労や挙動や新物質探求については,疲労では予想に近い結果が得られたものの,単結晶が比較的軟らかく,通常の弾性域内での転位運動による疲労は注意の必要がある.新材料ではNiMnInGe,NiMnSn等を研究し,Ni-Ti合金では従来の応力誘起相変態ではない現象を見出した.画期的センサー・アクチュエータの開発では,巨大磁歪と巨大発生力を有するラミネートコンポジットを考案し,さらに国際共同研究で巨大電気-磁気カップリング効果を持つ複合材料などを開発した.
研究室ホームページの中の研究内容および研究業績に一部記載してある.
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 10件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Journal of Alloys and Compounds
巻: 976 ページ: 173236~173236
10.1016/j.jallcom.2023.173236
Intermetallics
巻: 165 ページ: 108152~108152
10.1016/j.intermet.2023.108152
巻: 965 ページ: 171437~171437
10.1016/j.jallcom.2023.171437
Composites Science and Technology
巻: 241 ページ: 110101~110101
10.1016/j.compscitech.2023.110101
Micromachines
巻: 14 ページ: 1604~1604
10.3390/mi14081604
Applied Sciences
巻: 13 ページ: 8475~8475
10.3390/app13148475
ISIJ International
巻: 63 ページ: 1159~1171
10.2355/isijinternational.ISIJINT-2023-013
Materials
巻: 16 ページ: 4526~4526
10.3390/ma16134526
Scientific Reports
巻: 13 ページ: 7160
10.1038/s41598-023-33945-y
http://www.mater.pi.titech.ac.jp/