膨大なペロブスカイト化合物の中で強誘電体・圧電体は5%に満たず、応用分野も限定的であった。酸素八面体回転に基づく強誘電体・圧電体の物質設計では、元素選択の自由度が大きいため、この方向での物質探索により高機能性を有する新規材料が登場する可能性は大いにある。また、現在は鉛を含むペロブスカイト強誘電体Pb(Zr,Ti)O3が圧電素子として広範に利用されているが、環境保全の観点からこれを代替する無鉛圧電材料の開発が強く求められている。新しい機構に基づく新材料の開発はそのような産業界の要望にも応えることができる。
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