研究課題/領域番号 |
20K20563
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 亮 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80256495)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | ポリマーブラシ / 機能性好悪分子 / 材料表面 |
研究実績の概要 |
自励振動高分子の酸化還元状態を電極反応によって制御することで、動的挙動を定量的に評価することを試みた。自励振動高分子の酸化還元状態をポテンショスタットによって精密に時間制御することができれば、これを様々な表面物性の測定と組み合わせることで,動的挙動の速度論的な評価が可能であると予想される。そこで、自励振動高分子をindium-tin-oxide (ITO)電極などの基板に固定した自励振動ポリマーブラシ電極を新たに作製し、ポテンショスタットによる電圧印加を行うことで酸化還元状態の制御を試みた。またISFETによる電気化学的測定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自励振動高分子を電極基板表面に修飾する基礎的な作製技術を確立できた、また、作製した自励振動ポリマーブラシ電極のCV測定を行った結果、Ru(bpy)3の2価/3価に帰属される酸化還元ピークが観測された。また、CVと共焦点顕微鏡を組み合わせた測定の結果、2価のRu(bpy)3の発する燐光が酸化電流の増加とともに消失し、還元電流の増加とともに復元することが確認された。これらの結果から、自励振動ポリマーブラシに含まれる全てのRu(bpy)3が電極反応によって酸化還元されていることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
自励振動ポリマーブラシに対する種々の表面物性測定と組み合わせることで,ポリマーブラシの動的挙動の速度論的な評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において物品費および旅費の出費が見込みより少なかった。次年度は人件費にも使用する計画である。
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