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2021 年度 実施状況報告書

表面化学構造に基づくエクソソームのサブクラス分離

研究課題

研究課題/領域番号 20K20567
研究機関京都大学

研究代表者

久保 拓也  京都大学, 工学研究科, 准教授 (20374994)

研究分担者 佐藤 雄介  東北大学, 理学研究科, 准教授 (90583039)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードエクソソーム / レクチン / クロマトグラフィー / 糖鎖 / プロテオーム
研究実績の概要

本研究では,エクソソームの糖鎖機能解明を目指し,レクチン固定化SPMの作製および評価と,作製したSPMを用いたエクソソームのレクチンアフィニテークロマトグラフィー (LAC) を行った。エクソソームの化学特性を規定する条件の一つである糖鎖構造に着目し,膜表面の糖鎖構造を利用した新規分離手法の開発に着手した。Poly(ethylene-co-glycidylmethacrylate) (PEGM) を基材とするSPM (PEGM-SPM) 表面に対して,sambucus sieboldiana agglutinin (SSA) またはconcanavalin A (ConA) を導入したカラムを作製し,HPLC (High Performance Liquid Chromatography) を用いて,各カラムにおけるエクソソームの分離選択性を評価した。PEGM-SPMをテフロン素材の中空カラムに充填し,SSAまたは ConA溶液 (2 mg/mL) を封入した後,40 °Cで24 hインキュベートすることでレクチン固定化カラムを作製した。さらに,エクソソームの疎水性相互作用による非特異吸着を抑制するため,親水性ポリマーであるpolyvinylpyrrolidone で,SPMの疎水性表面をブロッキングした。作製したカラムを汎用のHPLCシステムに導入し,エクソソームに対するLAC測定を行った。その結果,エクソソームの一部がそれぞれのカラムに選択的に保持され,移動相へのhapten糖の添加によって,保持されたエクソソームを回収することが出来た。さらに回収したエクソソームについてLC-MS/MSによるプロテオーム解析を行ったところ,それぞれのカラムから溶出したエクソソームの構成タンパク質群が,大きく異なることが明らかとなった。これらの結果から,膜表面糖鎖種に基づくエクソソームのサブクラス分離に成功したことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り,膜表面糖鎖種に基づくエクソソームのサブクラス分離に成功した。

今後の研究の推進方策

レクチン固定化カラムの大型化を目指し,分取サイズのSPMの合成を行う。また,得られたカラムに対して,細胞上清を直接流し,遠心分離を必要としない分離手法を開発する。
また,分担者の有する特殊なペプチドをSPMに固定化することで,エクソソームの包括的な分離を可能とする新たなSPM作製とその評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響により出張旅費を使用しなかった。また,当初予定していた実験補助が不要であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effective separation of exosomes based on surface species by spongy monolithic media2021

    • 著者名/発表者名
      Shuntaro WADA, Toyohiro NAITO, Takuya KUBO, Koji OTSUKA
    • 学会等名
      Pacifichem2021
    • 国際学会
  • [学会発表] スポンジモノリスを用いたエクソソームの表面糖鎖構造に基づく選択的分離2021

    • 著者名/発表者名
      和田 峻太朗, 金尾 英佑, 久保 拓也, 足立 淳, 石濱 泰, 秋吉 一成, 大塚 浩二
    • 学会等名
      第32回クロマトグラフィー科学会議
  • [学会発表] エクソソームの表面構造に 基づく選択的分離手法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      和田 峻太朗,久保 拓也,秋吉 一成,大塚 浩二
    • 学会等名
      第28回クロマトグラフィーシンポジウム
  • [学会発表] Selective separation of an extracellular vesicle, exosome by recognition of surface sugar chains using a spongy monolith2021

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kubo, Seiya Kato, Toyohiro Naito, Kazunari Akiyoshi, Koji Otsuka
    • 学会等名
      Pacifichem2021

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公開日: 2022-12-28  

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