研究実績の概要 |
1.生物発光共鳴エネルギー移行(BRET)を活用した幹細胞性と細胞増殖性のリアルタイム多色イメージングシステムの構築 大阪大学永井健治博士が開発したBRETによるイメージングシステムであるenhanced Nano-Lantern (eNL)を幹細胞性遺伝子(OCT4, SOX2, NANOG)と細胞増殖関連遺伝子(MKI67)の遺伝子発現制御領域依存的に核に発現させるベクターを作製して、がん細胞に発現させ、幹細胞性遺伝子とMKI67の発現の可視化を行った。 2.がん細胞増殖動態リアルタイム解析システムの構築 1.で作製した細胞をスフェア培養条件下で培養して、増殖細胞数(MKI67-Red eNL)、非幹がん細胞の累積分裂数(動画のイメージ解析により算出)、幹細胞数(OCT4-Green eNL or SOX2-Green eNL or NANOG-Green eNL)、幹細胞の累積分裂数並びに非幹がん細胞に幹細胞性が誘導される幹細胞性誘導によるがん幹細胞の累積増加数(幹細胞マーカー陰性細胞の陽性細胞への転換数)を自動で計測するソフトウエアを開発するための発光顕微鏡下での培養実験を行なった。培養液の蒸発や培養皿の結露など発光顕微鏡細胞培養システム上の問題解決に時間がかかっており、ソフトウエアの開発の段階に至っていない。 このほか、スフェア培養ができないがん細胞の長期3次元培養法としてPolyvinyl formal resinをscaffoldとして用いた培養方法を確立した。この方法によってスフェア培養ができないがん細胞を用いたイメージングも可能にした。
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