研究課題/領域番号 |
20K20597
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加藤 光保 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20194855)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | がん / 幹細胞 / 幹細胞誘導 / GPNMB / TMEPAI(PMEPA1) / THG-1 / 不均等分裂 / イメージング |
研究成果の概要 |
MAFK、GPNMB並びにTMEPAI(PMEPA1)は、乳癌や膵癌で幹細胞誘導に関与し、THG-1は扁平上皮癌の幹細胞誘導に関与する。単層培養されているがん細胞は持続的に細胞周期を周り続けるが、in vivoにおけるがんの腫瘍形成性増殖や3次元のスフェア培養では、誘導された幹細胞だけが長期生存して間欠的に不均等分裂を起こし、一過性増殖細胞や最終分化したがん細胞は一定の寿命ののちに死に至るが、一部の増殖が停止したがん細胞に幹細胞性が誘導される。一定以上の総細胞数に達すると、誘導された幹細胞が持続的に増加し、生まれる細胞と死ぬ細胞の動的平衡が成立する総細胞数が持続的に増加することになる。
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自由記述の分野 |
実験病理学、腫瘍学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のがん治療は、早期であれば多くの患者が治癒するが、進行して全身に広がったがんや再発がんの治癒率は低い。転移や再発は幹細胞に依存して発生する。Dormantながん幹細胞の本態解明とがん細胞増殖動態全体における位置付けを解明することは、次世代の進行がんにも有効ながん治療の開発に必須である。本研究は、幹細胞が増殖が停止したがん細胞の一部に誘導されて数を増し続けること、その際に不均等分裂が起こることを明らかにしている。今後は、がん細胞の分裂寿命の決定機構並びにがん幹細胞化における分裂寿命のリセット機構の研究が重要になることを示す学術的価値と幹細胞誘導標的医療の開発につながる社会的意義をもつ。
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