従来、精神疾患の病態解明研究においては、統合失調症等精神疾患患者は短命で、その死因として心臓死が多いことが示されているにも関わらず、脳病態の解明に専ら焦点づけられ、心臓病態と脳病態との関係性に関してはアプローチされることすら乏しかった。本研究により、精神疾患と心疾患双方のリスクである22q11.2欠失患者心筋細胞におけるゴルジ体および小胞体異常の存在が明らかとなったことは、精神疾患患者の心身両面における健康寿命延伸、22q11.2欠失患者の家族からの、「心臓に病気があっても安全に使える治療法の開発を」という思いの実現に繋がり得る成果である。
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