研究課題/領域番号 |
20K20617
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大山 要 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)
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研究分担者 |
石川 岳志 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (80505909)
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
川尻 真也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (20457576)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 健診コホート / 免疫複合体 / 人工知能 / 関節リウマチ / 先制医療 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ (RA) は自己抗原による慢性炎症で関節破壊がおき介助・介護が必要となる疾患である。RAは患者が多く (100万人, 罹患率1%)、高額な抗体医薬で長期間治療するケースが多い。治療不応のQOL低下と治療進歩による新たな問題は、多くの国民が直面しうる問題である。この問題解決には、個別化予防を主体とする先制医療の導入が不可欠である。しかし、RA予備群の抽出が現状では難しい。 そこで本研究では、疾患原因となる自己抗原に着目し、未病期から発症まで増加し続ける自己抗原を免疫複合体解析と人工知能で特定し、それをもとにRA予備群を未病状態で抽出する検査系を確立する。そして、この自己抗原でおきる炎症を未病期から持続的に抑制し、発症とQOLの低下を予防する先制医療戦略の基礎を構築することで抜本的な問題解決に挑戦する。 2020年度はRAの疾患原因分子となる免疫複合体抗原の同定に向け、五島コホート参加者の血液検体・患者情報を利用するため、Nagasaki Island Study Collaborator申請を提出し、研究承認を得た。この研究承認を受け、コホート参加者のうちRA発症が疑われた参加者を抽出し、50名以上の該当者がいることを確認した。また、当該参加者については研究用の血清試料が残存していることも確認した。該当者の血清検体を入手し、次年度から免疫複合体解析を開始する準備が整った。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年度の五島健診が中止となり、継続的な検体収集が不透明な状況となり、研究対象者の過去血清(未病期まで)のみで解析を行うよう計画を変更した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、例年通りの健診が実施されず、解析計画の再考を迫られた。解析スケジュールについても研究室稼働率が低下し、全体的に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定より解析対象数が少なくなる可能性が高い。次年度も健診が実施されるかは不透明なため、既存の参加者検体で解析研究を実施する。また、解析対象数が少なくなった場合でも、病態的意義のある免疫複合体抗原を同定できるようにAI解析の工夫に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大で県外移動が制限され、また研究室稼働率が大幅に低下した。この影響で共同研究打ち合わせ(旅費)ならびに免疫複合体解析(物品費・人件費)が実施できていないため、次年度に延期となった旅費・物品費・人件費に充てる予定。 代表者が代表あるいは分担を務める他研究も同様の理由で進行が遅れている。次年度使用の物品費については、本研究を含め研究全体を加速させるため、配備済みの質量分析装置に加え、高感度かつハイスループットな上位装置をリース契約で使用するための使用内訳変更を申請する予定である。
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