研究課題/領域番号 |
20K20617
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大山 要 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (50437860)
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研究分担者 |
石川 岳志 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (80505909)
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
川尻 真也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20457576)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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キーワード | 健診コホート / 免疫複合体 / 人工知能 / 関節リウマチ / 先制医療 |
研究実績の概要 |
本年度は前年度から検討を続けてきた、1)健常→RA進行に応じた免疫複合体抗原の同定、2)シトルリン化抗原の同定に加え、3)免疫複合体の定量を行った。 1)前年度に見出した離島コホート特有の免疫複合体抗原を中心に、RA進行に応じて増加しかつ他の自己免疫疾患より離島コホートで有意に増加する抗原を絞り込んだ。その結果、4種類の免疫複合体抗原が特定された。いずれもRAとの関連が報告されておらず、新たな超早期バイオマーカーになる可能性が考えられた。一方、各タンパク質の局在は核内・細胞内であり、抗原性を伴うタンパク質機能異常が病態形成に関与するとともに、細胞破壊などで放出された各異常タンパク質が抗原認識される可能性が考えられた。 2)シトルリン化抗原についても網羅的に解析した結果、RAに特徴的なシトルリン化抗原は見つかったが、離島コホートに特有のものはなかった。1)の結果も踏まえると、上記の超早期バイオマーカーはシトルリン化されたものではなく、シトルリン化以外のプロセスで異常化した可能性が示され、この点からも新規性が示唆された。 3)健常→RA進行に応じて免疫複合体総量が変化するかを調べた。免疫複合体量は、C1qをプレートに固定化したプレートを自ら作製してELISA法で測定した。その結果、疾患進行に応じた免疫複合体量の増加は認められず、免疫複合体の量ではなく質(特徴的な免疫異常トリガーの存在)から超早期バイオマーカーを特定する妥当性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
通常の研究室稼働に戻り、本年度は研究に参加する学生を増やしたことで大幅に研究が進んだ。ただ、研究開始当初のCOVID-19による研究室稼働率低下の影響が遷延し、全体としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は大学院生も研究に参画させ、解析結果の計算化学的研究も進める。ここまでの成果をまとめ、次年度の論文投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者が病気療養で2022年度に一時入院し、一部の研究を当該年度内に実施できず、2023年度実施予定の研究もずれ込んだ。次年度に延期分の物品費に充当する予定である。
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