研究課題/領域番号 |
20K20626
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
奥 寛雅 群馬大学, 情報学部, 教授 (40401244)
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研究分担者 |
鈴木 孝明 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (10378797)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 光MEMS / 飴 / 光学素子 / 料理 / サービスVR |
研究実績の概要 |
2020年度は,(1)光MEMSに適した原料糖の探索,(2)マクロ系飴製光学素子形成方法の基礎開発とその光学特性評価,(3)飴を原料とした微細加工技術開発を行った. (1)光MEMSに適した原料糖の探索では,光MEMSの材料として適した飴の材料となる糖を実験的に探索した.糖を水分と混合して加熱溶融し,その後,雌型に流し込み冷却固化することで光MEMSを製造するプロセスを想定し,グラニュー糖,上白糖,還元イソマルツロースについて評価した.糖を加熱溶融させる過程で茶色く変色することがあり,まずはこの変色のしやすさについて評価を行い,同じプロセスにおいて還元イソマルツロースが最も変色しにくいことが確認された.還元イソマルツロースの波長ごとの透過率を分光光度計で計測し,可視光域では概ね90%以上の透過率をもっていることも確認できたため,評価した糖の中では還元イソマルツロースが原料として最適であるという結論となった. (2)還元イソマルツロースを原料として,まずは数cm程度の大きさの光学素子を形成する手法を研究・開発した.特に,シリコーン系ポリマーを母型とし,この中で溶融した飴を固化させるプロセスについて研究し,真空チャンバーの中にヒーターを導入して脱気しながら溶融・固化させるプロセスが精度のよい整形に効果的であることを確認した. (3)微細加工技術について基礎的な開発を行った.基本的には微細加工技術でもととなる鋳型を作成し,その形状をシリコーン系ポリマーで転写したあと,さらに飴に転写するというプロセスを想定して,この鋳型の整形方法について,特に微細な再帰性反射材の形成を目的として検討と試作を行った.まだ目標とする形状を実現できていないため,次年度も引き続き検討と試作を継続する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した内容は概ね実施できているため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き計画に従って研究を推進する予定である。 微細加工技術については、既存の光学デバイスの構造のまま微細化すると難しいことが判明しつつあるため、微細加工に適した形状を設計して試作することで解決を図る。
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