研究課題/領域番号 |
20K20626
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
奥 寛雅 群馬大学, 情報学部, 教授 (40401244)
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研究分担者 |
鈴木 孝明 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (10378797)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 光MEMS / 飴 / 光学素子 / 料理 / サービスVR |
研究実績の概要 |
2021年度は,(1)飴製再帰性反射材の開発とそのマーカー応用,(2)飴を素材とする粉末状再帰性反射材を実現するための鋳型開発,(3)飴による実像鏡の開発,を行った. (1) 飴を用いた再帰性反射材を開発した.前年度に探索した結果,素材とする物質は還元イソマルツロースが適していることが見いだされており,これをシリコン系ポリマーでコーナーキューブプリズム形状に形成することで再帰性反射材を開発した.試作品の評価実験から,市販のビーズ型再帰性反射材よりも大きな反射係数をもつことがわかり,再帰性反射材として機能していることが示された.一方,形成時に一部の領域に飴が行き渡らずに,デバイスの一部に反射率の低い場所が存在し,デバイスのカメラ像にテクスチャを有することが観察された.これはデバイスごとに固有の反射パターンを有することを意味しており,このパターンを利用してデバイスの位置と姿勢変化を計測するアルゴリズムを開発した.これを利用することで,飴製再帰性反射材を付与した料理の位置や姿勢変化にあわせて投影を行えることを実証した. (2) 微細な飴製再帰性反射材を実現するために,50um程度の微細なプリズムがアレイ状に配置されるシリコン系ポリマー型の開発を行った.PDMSで形成した試作品を光学的に評価して,十分な反射光が得られることを確認した.今後はこれに基づいて微細な飴製再帰性反射材の形成を目指す. (3) 飴を素材とした実像鏡の実現を目指して,2面コーナーリフレクタアレイ形状の飴による形成に取り組んだ.これまでの試作から,コーナーリフレクタアレイ形状は精度よく形成でき,空中像がも実験的に確認できている.しかし,形成される実像に大きな収差があることが確認されており,アレイ全体の平坦度に問題があることが判明しているため,今後はこの点を改善する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマごとの進捗に計画より進んでいるものと遅れているものがあるが,全体としては計画に沿って進展していると考えられるため.
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今後の研究の推進方策 |
本年度はこれまで開発してきたデバイスを利用した応用実験を中心にすすめる予定である.また,当初計画では飴製光ファイバーを開発する方針であったが,サービスVRへの応用を想定するときに,サイズの大きなライトパイプの方が適切であることがわかってきたため,ライトパイプの開発を実施する方針である.
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