研究課題/領域番号 |
20K20668
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
沖田 実 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50244091)
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研究分担者 |
坂本 淳哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20584080)
本田 祐一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40736344)
片岡 英樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (50749489)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 拘縮 / 線維化 / 骨格筋電気刺激 / 至適運動条件 / 筋収縮頻度 / 日内介入頻度 / 臨床病態評価 / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
昨年度,虚弱高齢者60名,健常成人22名を対象に超音波画像計測装置で撮像した長内転筋の筋輝度,筋硬度と股関節外転可動域との関連性を検討し,これらの指標は骨格筋由来の拘縮の臨床病態評価に活用できる可能性があることを明らかにした.しかし,虚弱高齢者と年齢が合致した健常高齢者との比較データがなく,虚弱高齢者に認められた筋輝度や筋硬度の増加ならびに股関節外転可動域制限の要因が加齢によるものか,虚弱によるものかが明らかではなく,今年度は若年健常者(若年群),健常高齢者(健常群),虚弱高齢者(虚弱群)それぞれ22名(計66名)を対象に上記指標について再検討した.その結果,3群間で有意差が認められたのは筋硬度と股関節外転可動域であり,これらの指標には有意な相関を認めた.つまり,筋硬度は加齢に加え,虚弱の影響も反映する指標であり,骨格筋由来の拘縮の臨床病態評価として有用な指標であることが明らかとなった. 加えて,並行して進めてきた臨床観察研究の結果,虚弱高齢者の全身の拘縮の重症度は身体活動量と有意に関連しており,改めて拘縮の予防対策としての身体活動促進プログラムの重要性が再確認された. 一方,本年度予定していた「拘縮対策のための新規治療戦略の効果検証に関する臨床研究」に関しては,研究フィールドにおけるコロナクラスターの発生などの影響もあり,入院受け入れ患者や臨床研究実施の制限もあり,十分なデータ収集には至らかった.現在はこの点も解消され,データ収集を開始できており,今後も継続して臨床研究を実施することとなっている.
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