研究課題/領域番号 |
20K20673
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
中村 浩士 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 総合診療科科長 (00380006)
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研究分担者 |
梅本 誠治 広島大学, 病院(医), 教授 (90263772)
池田 栄二 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30232177)
中島 翔太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (20580963)
平野 旭 呉工業高等専門学校, 電気情報工学分野, 准教授 (60594778)
加澤 佳奈 広島大学, 医系科学研究科(保), 寄附講座講師 (10740102)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | プライマリ・ケア / 多職種協働 / ブレインセンシング技術 / 認知症 |
研究実績の概要 |
医療現場ではほとんど測られていない呼吸数であるが、非医療者である市民や介護者にとっては、“呼吸数”の測定原理や意味、測定エラーなどは感覚的にも分かり易い。さらに呼吸は、心臓(循環)とも高い関連性があることも理解しやすいと思われる。ふたつの臓器のクロストークを数値化しリアルタイムに臨床にフィードバックするシステムの構築は、次世代医療のみならず医療資源に制約のある救急医療にとっても適切なトリアージ指標となる可能性がある。そこで、我々が提唱している『呼吸ゆらぎ指数』を計測可能なIoTウエアラブルデバイスを作製し、帰宅指示のあった救急科(ウオークイン外来)受診後の患者に貸し出して最長2週間の遠隔モニタリング(毎日)をすることで、帰宅後患者の状態(PS)を把握し、異変があった場合には早目の再診勧告をおこなうことで、救急医療資源の適正使用に貢献することを目的としている。 研究代表者は医学部卒業後30年間継続した臨床医であり、総合内科専門医、呼吸器専門医、循環器専門医、リウマチ専門医、プライマリ・ケア学会指導医などの複数の専門医資格を保持し、現在も総合診療科科長として臨床を行っている。2015年より総合診療科・科長として前任の広島西医療センターでは、訪問診療部門を立上げた上で多職種連携での在宅看取りも実施した。この時より在宅患者のモニタリングの必要性を感じ、山口大学工学部や呉工業高等専門学校と医工連携して医療機器(IoT-ウェアラブルデバイス)の開発を行ってきた。さらにこの技術を基に地域包括ケアシステムのICT化を提唱している。また『広島にVRケアの拠点を作る会(NPO申請中)』の患者会担当医師として、幻肢痛の疼痛緩和を目的とした次世代型VR装置(サイバネティックス制御)も開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のため、臨床研究活動と共同研究活動が大きく妨げられている状態が2年目に入った現在も続いている(現在緊急事態宣言下)。心拍と呼吸を同時に測定する過程で、音と振動という違う次元のセンサを開発することが出来た。このことから臨床への応用が広まった。また同時にオンライン診療を応用したシステム開発も進めることができたため、シーズから臨床ニーズの段階に上げて実装を進めている。また、臨床研究に向けて医療従事者の参画を増やすことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、脳からの情報を感知してコンピュータやロボティクスに応用する Brain-Machine-Interface にも連結可能な IoT 技術である。PK 制御理論を用いてアルゴリズム全体の演算速度を上げることで、次の心臓拍動や呼吸運動の瞬間を予測することが可能である。この制御技術(プログラム)を使えば、今でも医師や臨床工学士により経験的にマニュアルで制御されている人工心臓や体外式膜型人工肺(ECMO)、人工呼吸器といった呼吸や循環周期(ゆらぎ)を、より生理的にデジタル制御できる可能性がある。言い換えると、(年齢と共に体力が低下した)高齢者にも極めてやさしい人工心臓や体外式膜型人工肺(ECMO)、人工呼吸器が、制御プログラムの入れ替えだけで簡単に作ることができる(新医療機器)。従って翳風センサを用いた医療機器制御システムは、地域高齢者をひとりでも多く救うため、今すぐにでも必要な未来技術である。この未来技術を通して、次世代を担う若者たちと地域高齢者が共生可能な新しい地域社会をイノベーションしてゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により採択通知が10月であったこと、大学や研究機関への移動が制限されたこと、学会出張も中止になったり、開催されてもWEBとなったため、従来型の研究開発が困難であったことが次年度への繰り越しが発生した要因である。
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