研究課題/領域番号 |
20K20687
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
阿野 晃秀 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 嘱託講師 (70817642)
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研究分担者 |
森本 幸裕 京都大学, 地球環境学堂, 名誉教授 (40141501)
山下 三平 九州産業大学, 建築都市工学部, 教授 (50230420)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 緑化植物候補の選別 / 植栽基盤等の検討と決定 / 社会実装 / 植栽モニタリング調査 / 水収支モニタリング調査 |
研究実績の概要 |
【緑化植物の選定のための実験と推進戦略の策定】 前年度までの予備実験の結果から、実験に使用する植物種、および植栽基盤、条件を絞り込み、緑化実験の施設設営を開始した(空隙貯留型雨庭のための植物種25種、窪地型雨庭のための植物種30種、混植の組み合わせ3パターン)一方で、実装を促進するための地域コミュニティ「京都雨庭研究会内における検討はコロナ禍の影響により、ワークショップなどの開催が難しいことから方法を再検討している。また、空隙貯留型雨庭の予備実験の結果を考慮して、立花建設株式会社(福岡県糟屋郡新宮町大字原上1793-1)事務所の敷地に、雨庭を実装した。また工事の際には、植栽は地域住民も参加するワークショプ形式で実施することで、今後の取り組みへの参画・および景観の心象に関するアンケート調査などへの協力が得られる体制づくりを始めた。 また、事務所敷地の水収支を観測するためのシステムとして、三角堰とタイムラプスカメラを雨庭の二箇所の放流口に取り付け、水収支の観測を始めた。 加えて、植栽に関して、各植物種ごとに、植栽した全ての株に対して、鑑賞価値から見た活性度(しおれ、枯損、変色、病害虫)を記録を開始した。また、各植物種10サンプルを目安に高さ・被度・花芽の数を記録し、成長の度合いの記録を開始した。これらの調査により、実装された雨庭において、本研究で検討する植栽手法の日本における適用可能性や課題点を明確にする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度5月から初年度の緑化植物の実験を開始する予定であったが、コロナ禍の影響で、交付が7月以降であったため、植栽に適した時期を考え、実験の開始を2021年の5月に遅らせた(現在、設営中)。また、地域コミュニティの中で、雨庭の実装を促進する戦略策定や取り組みの内容に関しても、ワークショップなどの開催がむずかしくなったため、新しい方法を再検討中である。 一方で、当研究で検討予定の緑化手法の社会実装は3ヶ月の遅れはあったものの、2020年度以内に完了し、2021年度から、水収支と植栽のモニタリング調査を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
【緑化植物の選定のための実験】 2021年5月から実験施設を設営し、モニタリングを行い、2020年度に実装された立花建設の植栽のモニタリングデータとも比較しながら、当研究で扱う緑化手法に適した(雨庭に適した)緑化植物を選定する(半年の遅れはあるが予定通り遂行する) 【実装された雨庭のモニタリングと景観の心象に関する調査】 雨庭の開花時期、および、コロナの感染拡大状況などを鑑みて、適した時期にワークショップを開催できる場合は、現地でのアンケート/インタビュー調査を行う。難しい場合は、写真等で代替した方法で調査を行う。 【雨庭の推進戦略の策定】 地域コミュニティの会議(京都雨庭研究会)を何度かオンラインにて行うことができた。その経験を踏まえ、オンラインでのワークショップ方法を検討し、推進戦略の策定につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
交付が2020年7月以降となったため、5月から開始予定であった緑化実験施設の設営を2021年に遅らせた(現況:緑化植物候補の絞り込みと設営が計画が終了し、設営を開始)
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