出自や宗教を問わず、南アジア地域出身者の共通語としての役割を果たしていると仮定する『現代ヒンドゥスターニー語』の現状を探るために、2023年度はパキスタンおよび、ヨーロッパ各国に居住する南アジア出身者へのインタビュー調査を実施した。データの精査をしており最終結果として公表するには少し時間を要するが、主としてパキスタンおよびインドにルーツをもつ居住者から得られた情報は、今後の研究に継続して用いていく予定である。 また、パキスタン出張時には『現代ヒンドゥスターニー語』のサンプルとも言える書簡集『日本におけるウルドゥー語書簡』の出版も成果の一部として実現した。20世紀後期から21世紀初頭にかけてのウルドゥー語に携わるものたちの書簡を収集し、文体や語彙に関する分析をする際の資料としての利用価値も高いと考える。
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