研究課題/領域番号 |
20K20694
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
越智 博美 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90251727)
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研究分担者 |
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70249621)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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キーワード | 冷戦 / アメリカ文学 / 図書館 / 奄美大島 / Robert Penn Warren |
研究実績の概要 |
代表者、研究分担者共通のプロジェクト部分は、海外研究協力者Greg Barnhisel(Duquesne U)を招致しての国際会議であった。Barnhiselは直前に健康上の問題で医師から渡航を禁じられたが、発表原稿をいただき代読を立てて参加していただいた。 越智は、Yale 大学にてRobert Penn Warren Papersを調査、冷戦期後期のWarrenの動きについて資料収集したほか、クローズドな研究会をして、1930年代を冷戦期の萌芽期として読む可能性を探ったほか、吉原とともにドイツの国際学会にて、現地のアーカイヴ調査グループとの連携関係を確保した。 吉原はアメリカ占領期に奄美大島に設置されたアメリカ文化センターに関する資料を、後続である鹿児島県立図書館奄美分館館長であった島尾敏雄関係資料から調査するため、同館で調査を行った。同館書庫には、奄美大島だけでなく、日本各地のアメリカ文化センターに関する資料(書籍、ビデオ、スライド、各地のアメリカ文化会館のニュースレターなど)が未整理のまま残されており、これらの資料を整理すれば、文化冷戦においてアメリカ文化センターが果たした役割を、一次資料に基づいて明らかにできるという確信を得た。また冷戦期トルキエにおける米英文学制度化ついての基礎調査を行った。ドイツで開催された国際学会で、文化冷戦を主導した団体Congress for Cultural Freedom(CIA資金)の日本支部が発行していた総合誌に関する口頭発表を行い、世界各地で発行されていた同種の総合誌に対するグローカルな視点からの分析を通じて、グローバル冷戦の諸相を探ることができるという了解を、参加者と共有した。 国際プラットフォームという点においてはヨーロッパとの貴重な人的繋がりを作ることができ、コロナ禍で遅滞した調査がようやく追いついてきた一年であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトの基本線は、アーカイヴ調査である。当初はコロナ禍により、海外への調査ができず、その分が遅滞していたのだが、2023年度は夏に二箇所のアーカイヴに行くなど、遅れを取り戻すことがほぼできている。
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今後の研究の推進方策 |
本課題研究は、冷戦研究において、従来前期に集中していたアーカイヴ研究を後期へと拡充していくための基礎調査という位置づけである。本研究の先に、基盤研究への応募を予定していたが、その予定通りに応募することができている。招聘予定研究者の来日キャンセルにより少々の予算繰越にて予定より一年延びているが、次へ続く研究課題についてはすでに本課題から発展的に繋げることができたので、今後はそちらの課題を進めつつ、本課題のまだ残された部分について(Japan Foundation調査など)、進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカからの招聘研究者が、来日直前に健康上の理由から来日を辞めざるを得なかったぶん、未使用が生じた。その分は本年度の資料収集の費用に充てることとする。
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