研究実績の概要 |
本研究は,外国人人材が就労する介護福祉施設等をフィールドとし,「日本人職員」と「外国人職員」間及び「介護福祉施設利用者」と「外国人職員」間に生じる可能性が高い「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」を具体的に明らかにし,その事例集を作成し,その解決策も記した事例集の活用によって,介護現場での異文化コミュニケーションを円滑にすることを目的とするものである。 令和2年度は,新潟県内の有料老人ホーム(技能実習生受入れ),神奈川県内の介護老人福祉施設(技能実習生受入れ),愛知県内の介護老人福祉施設(技能実習生受入れ),栃木県内の介護老人福祉施設(技能実習生受入れ)等,複数の介護福祉施設において,日本人職員と外国人職員,双方からの異文化コミュニケーションに関するアンケート調査の分析を行い,どのような場面でどのような「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」が生じたか明らかにし,その実際にあったトラブルの事例集作成に向けて, 項目作りをした。また,介護福祉施設の日本人職員には「多文化共生とやさしい日本語」をテーマにした異文化コミュニケーションに関する研修を実施し,その研修前と研修数か月後の「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」に関する職員の意識の変遷についても分析した。その結果,研修は外国人受け入れ前はもちろんのこと,受け入れ後こそ必要で,回数は複数回実施する必要性があることが明らかになった。
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