研究課題/領域番号 |
20K20710
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
尾崎 喜光 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (10204190)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 音声変化 / 「言う」の語幹の発音 / 非語頭の「わ」の発音 / 既存資料の活用 / 映像資料 / 録音資料 |
研究実績の概要 |
言葉は絶えず変化するが音声も例外ではない。現在進行中の音声変化として本研究が注目するのは、①連母音[iu]の[ju:]への変化、②非語頭のワの[w]の脱落である。 前者は動詞「言う」の諸活用形における語幹「言」のイからユへの変化である。数年前にテレビドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のうち6番組のセリフを試行的に聞き取って分析したところ(「言う」を含むデータ総数618件)、ユの発音率は「言い(0.0%) < 言え(4.8%) < 言っ(19.6%)< 言わ(58.8%) < 言う(100.0%)」であり、活用語尾の音が大きな要因となっていることが明らかとなった。 一方後者については、別のテレビ番組内での発話を数年前に分析したところ、「代わり」「回す」のようなワの直前の母音がアであるときにワがアになりやすいことが明らかとなった。 本研究では、こうした試行調査で得られた結果をふまえ、データをより充実させて分析することにより、こうした音声変化のありようを高い精度で明らかにすることを目的とする。そのために、次の2つの調査を行う。(1)過去に放送され現在放送ライブラリー(横浜市)に保存・公開されている多様なテレビ番組・ラジオ番組における発話を対象とする調査。(2)国立国語研究所(立川市)が所有する過去に実施された社会言語学的調査の録音資料の調査。 今年度は6回の調査出張により、放送ライブラリーにて、①②について15日間の調査(ドキュメンタリー番組内での発話の調査)、②についてはさらに国立国語研究所において2日間の調査(過去に実施された「学校の中の敬語」調査のうち面接調査の録音調査)を行った。 これにより、放送ライブラリーにおいて、①のデータを66件、②のデータを505件収集した。また、国立国語研究所において①のデータを116件収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では、放送ライブラリーに10回、国立国語研究所に11回調査出張を行う予定でいたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い調査出張の回数が大きく制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
第1年次に引き続き、放送ライブラリーおよび国立国語研究所においてデータ収集を継続し、データを追加する。ただし新型コロナウイルスの感染拡大が全国的に再燃していることから、今年度の調査出張も回数が大きく制限されることが予想される。できる範囲で行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、調査出張が大きく制限された結果、旅費の未使用額が生じた。また、調査出張が制限されたため、データ収集に用いるノート型PCは現有のものでまだ間に合い、新規購入には及ばなかった。 新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、次年度は、第1年度の未使用額を、調査出張旅費およびノート型PCの購入等に使用する予定である。
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