研究課題/領域番号 |
20K20735
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
荒又 美陽 明治大学, 文学部, 専任教授 (60409810)
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研究分担者 |
内藤 正典 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (10155640)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 移民 / 難民 / マイノリティ / イスラーム / ヨーロッパ / 日本 |
研究実績の概要 |
2021年度も、Covid-19の影響により、海外調査が困難な状況にあった。そこで、今年度は日本における難民研究者との研究交流を進め、ヨーロッパとの比較研究を進めることとした。1)4月から研究協力者の三浦尚子が牛久の入管施設における収容者との面談および埼玉県川口市のいわゆる「ワラビスタン」におけるクルド人家族訪問と聞き取りを進めた。研究代表者の荒又は、8月に2回牛久訪問をし、また学生とともに3回ワラビスタン訪問も行った。日本の移民受け入れの現状を知ることにより、フランスなどでの移民支援団体や行政にどのようなアプローチをすべきか、調整することができた。2)9月からセクシュアル・マイノリティ研究の須崎成二が研究組織に加わり、日本の「LGBT難民」、つまりセクシュアル・マイノリティであることを理由とした難民認定の実態を研究している。合わせて、英語圏のマイノリティ研究の第一人者であるジル・バレンタインの論文を一つ、須崎による翻訳で刊行した。3)研究分担者の内藤は、これまでの研究交流の実績から、トルコとイスラーム世界についての発信を進め、ヨーロッパの思想・実践との比較を考察している。4)12月に荒又と内藤は東京での研究会を行い、今後の研究方針について調整を行った。大学の春季休暇中の渡航が可能かどうかを探ることとした。5)3月に荒又は2年9か月ぶりにフランスに渡航、明治大学文学部の協定校となったポー・アドゥール地方大学を訪問し、今後の研究協力体制、調査地などについて意見交換を行った。6)移民と定着に関して、荒又はオギュスタン・ベルクの北海道研究の翻訳を行い、一部公刊した。7)研究協力者とともに映画「牛久」を鑑賞し、意見交換を行った。 2022年度は最終年度として、研究協力者を含めた海外調査及びワークショップの開催を行うことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヨーロッパでの調査をほぼ行えなかったため、当初の予定とは異なる形であるが、日欧比較という新たな視点を得て、新しい方向性を見出すことができている。また、翻訳を含め、発信は進んできている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は研究協力者とのワークショップを行い、さらに広くネットワークを作り、より総合的な研究を行う科研費への応募につなげていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19による渡航制限のために、2021年度も繰り越し分が生じたが、2022年度は現地調査に加え、京都での研究協力者を含めたワークショップを開催予定であるため、2022年度に使用予定である。
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