研究課題
今年度は、①松丘保養園の記憶のアーカイヴ化の検討、②松丘保養園の未来の姿を考える場を活性化するための貢献、③社会的排除を受けた人びとの生の軌跡を復活する試みを行う場と人びととの交流を実施することができた。①については、松丘保養園社会交流会館の澤田大介氏に加えて、松丘保養園で写真撮影をしている写真家の木村直氏(東京藝術大学大学院生)、「松丘の森構想」を提案した環境デザイナーの廣瀬俊介氏(風土形成事務所)も研究協力者として加わり、松丘保養園の記録と記憶を継承する場の構築に、どのようなアプローチができるのかについて、主にオンラインでのミーティングを重ねた(2023年4月14日、4月18日、4月28日、5月22日、6月30日、2024年1月6日、2月14日など)。②については、昨年度設立した「ふきのとうの会」のメンバーによる『ばっけ通信』を発行し、入所者と地域の関係づくりを行った。松丘保養院を2023年6月、12月、2024年1月、外島保養院跡を2023年5月27日、9月27日に訪問し、関係者との交流を行った。また弘前大学で「弘前大学資料館第33回企画展 ダイアローグ:松丘保養園と出会う」を開催し、次世代の学生と地域社会に本課題の重要性を継承することができた。③については、訪問にあたって田中雅一氏(国際ファッション専門職大学)に「犠牲者ナショナリズムと二次受傷」を招待して研究会を開催した上で(2023年7月25日)、ドイツ・ベルリンのユダヤ博物館およびポーランド・オシフィエンティムのアウシュヴィッツ博物館(2023年9月)、南アフリカのロベン島(Robben island)のハンセン病者たちが幽閉された跡地に作られた墓地群(2024年3月)を訪問し、歴史的記憶の継承について具体的な方法論を学ぶことができた。また上記の活動と成果について、ホームページで一般社会に公表することができた。
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地域未来創生センタージャーナル
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ヒストリア
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生態人類学会ニュースレター
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田原範子・澤田大介・白石壮一郎「ダイアローグ:松丘保養園と出会う 弘前大学資料館企画展ハンドアウト」
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https://sites.google.com/shitennoji.ac.jp/matsuoka/