研究課題
本来、本研究は令和3年度までの2年間の計画であったが、コロナウィルス2019の蔓延により、インドネシア現地調査が行えないという、計画立案時には全く予期していなかった世界的状況にあったため、大幅な研究方針の変更を行った。すなわち、インドネシア現地でのフィールドワークを行わず、気象シミュレーションWRFと人工衛星画像を用いて泥炭地の土壌水分量を推定し、土壌水分量と地下水位の高い相関を用いて地下水位を推定する、という解析方法に変更した。比較対象となる現地観測データは、インドネシア政府の研究機関の研究者の成果を利用させてもらうこととした。インドネシア泥炭地の気象シミュレーション結果から推定された地下水位は、泥炭地で観測された地下水位と非常に高い相関をもち、面的な森林火災予測・環境解析に応用できることことが令和3年度までにわかっている。同じ手法の解析を更に進め、令和4年度には、期間の長期化とパラメータの変化に関する解析を行った。一方で、PALSAR・PALSAR2を用いた合成開口レーダ(SAR)解析により、インドネシアの泥炭地における土壌水分用/地下水位の面的な推定も試みたが、各地点の観測点における推定は、ある程度可能であるものの、多地点を対象とした広範囲の解析を行うと、相関は低くなってしまうことがわかった。この手法に関しては、引き続き研究を続けて高精度化を検討していく必要がある。また、令和4年度は、これまでの研究成果をまとめ、成果の公表に向けた国際ジャーナルへの英語論文作成を進めてきた。現在のところ研究期間内に論文の受理まではたどり着かなかったが、近いうちの受理に向け、作成および修正を行っている。
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