ドイツが第一次世界大戦終了まで海外に保有した植民地のうち、アフリカの植民地、特に東アフリカ植民地(現在のタンザニア、ルワンダ、フルンジ)について、植民地の法状態を検討した。切り口としては、20世紀初めにドイツ政府が展開した現地法調査事業を取り上げて、調査を計画した本国の法学者、現地で調査を行い結果を報告した調査実行者、第一次世界大戦後に結果を最終的に集約したドイツの法学者の間のずれに注目することを通じて、西洋法学の理解枠組、それによって変形された現地法、現地法の固有の層を相互関係において把握し、全体としての現地の法状態を解明することを試みた。
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