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2020 年度 実施状況報告書

国公立博物館における先住民族の権利実現の可能性と課題-アイヌとマオリの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K20746
研究機関中京大学

研究代表者

松本 裕子 (小坂田裕子)  中京大学, 法学部, 教授 (90550731)

研究分担者 深山 直子  東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (90588451)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードアイヌ / マオリ / 先住民族の権利に関する国連宣言 / 先住民族博物館
研究実績の概要

2020年10月16日に北海道博物館にて調査を行った。翌17日には午前中に北海道立アイヌ総合センターで調査を実施し、午後にハイブリッドで研究会を開催して、2人の研究協力者(中村尚弘、山崎幸治)にご報告いただいた。中村は「特別展におけるアイヌ文化表象の変遷」を、山崎は「国立アイヌ民族博物館の開館準備の中での経験」についてお話くださった。同月18日に国立アイヌ民族博物館に小坂田、深山氏、山崎氏で訪問し、研究協力者の立石信一氏に案内していただいた。国立アイヌ民族博物館訪問の感想については、同月24日に別科研の研究会で小坂田が報告を行っている。
2020年11月15日には小坂田が大阪の国立民族博物館にてアイヌ展示の調査を行った。2021年1月4日には、オンラインでコア・メンバー(小坂田、深山、中村)の打ち合わせとミニ研究会を実施し、小坂田は「国立アイヌ民族博物館までの道のり」と題する報告を、深山は「東京国立博物館におけるアイヌ民族に関する展示」と題する報告を行った。2021年3月24日には、コア・メンバーでの打ち合わせとミニ研究会を実施し、小坂田は「世界の先住民族博物館」と題する報告を実施した。
2020年度は、コロナ禍でニュージーランドの博物館に行けなかったため、日本のアイヌに関する博物館の調査・検討をおこなうにとどまった。現在は、調査結果を分析しているが、その際、差別の歴史展示と博物館の在り方、博物館展示へのアイヌの参加に焦点をあてて検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍のため、ニュージーランドでの調査を行うことが出来なかったため。ただし、日本において国立アイヌ民族博物館、国立民族学博物館、北海道立アイヌ総合センター、北海道博物館等でアイヌ展示の調査は実施し、その分析を現在行っているところである。

今後の研究の推進方策

コロナ対策のためニュージーランドへの入国が難しい状況が続くことが予想される。そのため、もし他国が先に入国できるようになった場合には、ワシントンDCにある国立アメリカ・インディアン博物館、フィンランドの国立サーミ博物館、台湾の順益台湾原住民博物館に等調査に行き、国立アイヌ民族博物館との比較を行うことも検討している。
いずれにせよ、当面は国内での調査が中心にならざるを得ず、2021年度は旭川市博物館、
川村カ子トアイヌ記念館、平取町立二風谷アイヌ文化博物館、萱野茂 二風谷アイヌ資料館での調査を考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のためニュージーランドでの調査が出来なかったことにより、次年度使用額が生じた。今年度もコロナ対策により、ニュージーランドへの入国が制限されることが予想される。そのため、もし他国がニュージーランドより早期に入国を許可した場合には、比較検討の対象をワシントンDCにある国立アメリカン・インディアン博物館、フィンランドの国立サーミ博物館、台湾の順益台湾原住民博物館などに変更することも考えている。もっとも当面は、日本でのアイヌ展示の調査を行うことに限定されることが予想され、2021年度は、旭川市博物館、川村カ子トアイヌ記念館、平取町立二風谷アイヌ文化博物館、萱野茂 二風谷アイヌ資料館などでの調査を予定している。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] An examination of arguments over the Ainu Policy Promotion Act of Japan based on the UN Declaration on the Rights of Indigenous Peoples2021

    • 著者名/発表者名
      Osakada Yuko
    • 雑誌名

      The International Journal of Human Rights

      巻: 25(6) ページ: 1053-1069

    • DOI

      10.1080/13642987.2020.1811692

    • 査読あり
  • [雑誌論文] COVID-19パンデミックへのマオリの対応に関する覚書2021

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 雑誌名

      経済志林

      巻: 88(3) ページ: 243-261

  • [学会発表] 国立アイヌ民族博物館までの道のり2021

    • 著者名/発表者名
      小坂田裕子
    • 学会等名
      「先住民族と博物館」科研(20K20746、代表: 小坂田裕子)研究会
  • [学会発表] 東京国立博物館におけるアイヌ民族に関する展示2021

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 学会等名
      「先住民族と博物館」科研(20K20746、代表: 小坂田裕子)研究会
  • [学会発表] 「世界の先住民族博物館」2021

    • 著者名/発表者名
      小坂田裕子
    • 学会等名
      「先住民族と博物館」科研(20K20746、代表: 小坂田裕子)研究会
  • [学会発表] 「人類学的な定点観察に向けたオンライン実習の試み」2021

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 学会等名
      TMUフィールドワークリサーチラボ公開ワークショップ『新型コロナ時代におけるフィールドワークのいま、そしてこれから』
  • [学会発表] 「NZマオリによるラーフイの宣言:コロナ警戒下での先住的環境思想の『拡大』」2021

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 学会等名
      日本オセアニア学会第38回大会
  • [学会発表] 「マオリによる国連およびUNDRIPの利用:イフマータオの土地紛争の事例から」2021

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 学会等名
      「先住民族と法」科研(18H00810、代表:小坂田裕子)研究会
  • [学会発表] From Victims to Contributors: Human Rights to Climate Change for the Indigenous Peoples of the Arctic2020

    • 著者名/発表者名
      Yuko OSAKADA
    • 学会等名
      13th Polar Law Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] 「国立アイヌ民族博物館を訪問して」2020

    • 著者名/発表者名
      小坂田裕子
    • 学会等名
      「先住民族と法」科研(18H00810、代表: 小坂田裕子)研究会
  • [学会発表] COVID-19とNZ政府方針へのマオリの対応ーウェブ情報から垣間見る2020

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 学会等名
      第2回『先住民とCOVID-19』オンライン勉強会
  • [学会発表] "Sharing vulnerability: Considering the atoll "islandscape" with a focus on contrasting taro patches in Pukapuka of the Cook Islands."2020

    • 著者名/発表者名
      Fukayama Naoko
    • 学会等名
      RAI2020: Anthropology and Geography: Dialogues Past, Present and Future; British Museum
    • 国際学会
  • [学会発表] 「脆弱性の分有:プカプカ環礁州島のタロイモ水田にみるサイクロンの『しのぎかた』」2020

    • 著者名/発表者名
      深山直子
    • 学会等名
      日本サンゴ礁学会第23回大会
  • [図書] Changing Actors in International Law2020

    • 著者名/発表者名
      Karen N. Scott, Kathleen Clauseen, Charles-Emmanuel Cote and Atsuko Kanehara (eds.)
    • 総ページ数
      415
    • 出版者
      Brill/Nijhoff
  • [図書] 『現代国際法の潮流II-人権、刑事、遵守・責任、武力紛争(坂元茂樹・薬師寺公夫両先生 古稀記念論文集)』2020

    • 著者名/発表者名
      浅田正彦、桐山孝信、徳川信治、西村智朗、樋口一彦(編)
    • 総ページ数
      511
    • 出版者
      東信堂
  • [図書] オセアニアで学ぶ人類学2020

    • 著者名/発表者名
      風間計博、梅崎昌裕
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812220054

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公開日: 2021-12-27  

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