研究実績の概要 |
本研究では、言説ネットワーク分析を用いて、政策争点と関連アクターとの相互関係をネットワーク・グラフによって可視化し、数量分析を行う。これにより、政策争点をめぐってどのような利害対立の構造があるのか、それが時間の経過とともにどのように推移したのか、そして最終的にはどのような帰結へと結びついたのかという政策過程のダイナミクスを体系的・統一的に把握する。具体的には、40年間のエネルギー政策(原子力政策)と消費税導入・増税を取り上げ、政策形成プロセスのダイナミクスを描出する。 そのためには、政策に関する情報を収集し、各政策に関する審議の経過および関連アクターの発言(言説)や行動について、新聞記事、業界紙、関連アクターのウェブサイト等から情報を抽出する必要がある。初年度は、効率的に情報を収集するための方法を検討したうえで、その作業を進めた。具体的には、読売、毎日、朝日、日経の全国紙4紙のデータベースをもとに、キーワード検索を行い記事の総数を確認した。原子力政策については、1980~2020年の間に、読売43,329、毎日43,036、朝日48,366、日経44,452件の記事が得られた。また、消費税導入・増税(間接税含む)については、読売39,754、毎日23,001、朝日40,444、日経36,726件の記事が得られた。これらの膨大な記事のうち、各アクターの政策に関する発言など必要な情報が掲載されている記事を取捨選択しつつ、コーディング作業を円滑に行うための整理作業を進めているところである。
|