1966年から2004年までの財務データを用いて,様々な業種の識別に挑戦した。その結果,商社,百貨店,電力,大手私鉄,造船,カメラの6業種については,各業種の特徴が明確で,概ね識別に成功した。ただし,期間について,1966年頃には明確に識別できているものが,年を追うごとに業種の区別が曖昧になってしまい,識別の精度が低下してしまう。理由としては,企業の体質自体が変化して業種間の違いが縮小していること,会計制度の変更により財務諸表から企業の属性の違いが読み取りにくくなっていることが考えられる。より精度を高めることに挑戦してきたが,決定的な分析手法を確立するには至っていない。
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