スペクトル・グラフ理論の知見は,空間計量経済学に十分に活かされているとは言えない状況であった。特に,グラフ・ラプラシアンの活用はほとんどされていなかった。こうした中,本研究は,(i)代表的な空間自己相関指標の一つであるギアリーのcをグラフ・ラプラシアンを使って表現しその性質を明らかにすること,(ii)ギアリーのcに対応する空間スムージングの方法を提案しその性質を明らかにすること,(iii) 新たに導入したスムージング法と重回帰モデルとの混合フィルターを導入すること,などにより空間計量経済学を発展させることに貢献した。
|