研究課題/領域番号 |
20K20764
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
菅 幹雄 法政大学, 経済学部, 教授 (50287033)
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研究分担者 |
中村 洋一 法政大学, 理工学部, 教授 (10288235)
居城 琢 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50589463)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 市区町村 / 産業連関表 / 社会会計行列 / 経済センサス-活動調査 |
研究実績の概要 |
全市区町村産業連関表を推計するための最初の作業として平成28年経済センサス-活動調査の個票データから事業所の売上高試算値を市区町村別産業小分類別に集計作業を開始した。特別な集計作業が必要な理由は以下の通りである。事業所の売上(収入)金額について、事業所ごとの売上高を把握することが困難な、一部の産業等に属する事業所は、経済センサス-活動調査では調査・集計をしていない。企業の売上高については、全て調査・集計をしているが、複数の事業所を有する企業の売上高は、本社の所在地にまとめて計上しているため、地域別集計にはなじまない。そこで総務省統計局では、参考として、事業所ごとの売上高を把握していない事業所の売上高を試算し、全産業の事業所の売上高を地域別に集計している。だが、総務省統計局は市区町村別には産業大分類までしか公表していない。これでは産業連関表推計のためには不十分なので、産業小分類で集計するものである。なお当初は、元データから売上高試算値を再現し、さらにそれに工夫する計算を試みる予定であったが、データ量が非常に大きく(600万事業所)、計算にはかなりの時間がかかることが判明したこと、新型コロナウイルス流行のためオンサイト室に行く頻度を少なくする必要があったため、途中から総務省統計局の試算値から集計する方法に切り替えて時間の短縮を図った。また、こうした「事業所」あるいは「企業」といった統計単位について国際的に標準的な理解を確認するため、Business registers Recommendations manual 2010の翻訳・検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行に伴って緊急事態宣言が発出され、外出が制限されたことにより、当初は2020年夏に予定していた総務省統計局内のオンサイト施設での集計作業の開始が遅れた。当初は、元データから売上高試算値を再現し、さらにそれに工夫する計算を試みる予定であったが、データ量が非常に大きく(600万事業所)、計算にはかなりの時間がかかることが判明したこと、新型コロナウイルス流行のためオンサイト室に行く頻度を少なくする必要があったため、途中から総務省統計局の試算値から集計する方法に切り替えて時間の短縮を図った。2021年4月現在はまだ集計作業中である。2021年7月ごろまでにはオンサイト室での集計作業を終える予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの流行によってオンサイト室での集計作業が遅れたが、2021年7月ごろまでには集計作業を終える見通しである。既に2011年について作成したノウハウがあることから、遅れを挽回すべく、夏季休暇期間(2021年8~9月)に集中して市区町村別産業作成作業を行う予定である。そして年度内に報告書を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行により、市区町村別売上高試算値の集計作業が遅れたため、学生アルバイトによるデータの整理・加工作業を次年度に延期したため次年度使用額が生じた。なお遅れを挽回すべく、市区町村別売上高試算値の集計は2021年7月には終了し、夏季休暇期間中(8~9月)に学生アルバイトに集中してデータの整理・加工作業をしてもらう予定である。
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