研究課題/領域番号 |
20K20769
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
児玉 耕太 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (90419424)
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研究分担者 |
仙石 愼太郎 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (00401224)
伊藤 陽一 北海道大学, 大学病院, 教授 (10334236)
城野 博史 熊本大学, 病院, 准教授 (40515483)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | イノベーション / 医療経済学 / 抗がん剤 / 費用対効果 |
研究実績の概要 |
初年度である今年度は立ち上げのため、採択後、月1回のオンライン班会議を開催し、各研究分担者である北海道大学医学研究科・教授・伊藤陽一先生、熊本大学病院薬剤部・准教授・城野博史先生、研究協力者である神戸市立医療センター中央市民病院・池末裕明先生から各自の研究テーマ紹介を行ってもらうとともに、研究進捗について共有を図った。 その結果、腫瘍学分野における企業間取引の数が過去20年間で増加していることを明らかになった。さらに、生物製剤に関連する年間取引数は2015年以降、小分子の取引数を上回り、主に3つのPD-(L)1阻害剤であるKeytruda、Opdivo、およびTecentriqによって推進されていることが示唆された。さらに、生物製剤に関連する企業間取引の平均数は、アライアンスおよび資金調達において、小分子のそれよりも大幅に多く、生物学的抗がん剤の企業間取引がさまざまな手段を通じて活発に行われていることを示唆された。これらの結果は、活発な企業間取引の観察された傾向が、抗がん剤の研究開発における成功の可能性を高める上で重要であることを示唆される。これは、満たされていない医療ニーズに対処するための革新的な薬剤候補の開発を成功させるために、この業界に潜在的なブレークスルーを提供する可能性がある。 また、30の大規模な多国籍企業のサンプルを統計的に調査することにより、研究開発の生産性に影響を与える要因を包括的に分析した。私たちの結果は、戦略的取引が承認された医薬品の数を増やすことはなく、総売上高の成長に悪影響を与えることを示した。さらに、ホームリージョン指向の国際戦略が総売上高にプラスの影響を与えることを示唆し、したがって、地域の医療ニーズへの対応が持続可能な成長にとって重要であることを明らかにした。 これらの結果については、Sustainability誌に2報報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度にも関わらず、関連する報告を国際誌であるSustainability誌に2報報告を行うことができ、また現在Q1誌であるJournal of Personalized Medicineで査読中のものが1報あり、当初の計画よりも速いペースで研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
同じ分野の研究分担者である東工大の仙石研との合同ミーティングや共同研究を、オンラインでより積極的に行うことにより、最終年度である程度の成果をまとめて秋には挑戦的研究(開拓)への公募につなげていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末にかけて掲載料(25万円程度)が複数あり、査読にかかっていたため、その執行を行うために資金を留保していたが、最終的に年度内に掲載することができなかったため、次年度に繰り越した。
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